日本が取り戻すべき三つの教育~宗教心・道徳・歴史の大切さ
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
この三つをなくした人間は、必ず浮草のように浮遊する
日本が取り戻すべき三つの教育~宗教心・道徳・歴史の大切さ
山田宏(参議院議員)
戦後、日本の教育は捨ててはならないものを捨ててしまった。それが日本人のガッツを失わせ、慎みと誇りと自信を喪失させている。浮遊する日本を救うには、どうすればいいのか。山田宏氏が語る日本再生の道。
時間:12分28秒
収録日:2014年4月4日
追加日:2014年6月26日
カテゴリー:
≪全文≫

●宗教心・道徳・歴史。日本が取り戻すべき三つの教育


 山田宏です。今日は、なぜ日本人のガッツがなくなったのか、その原因である日本の教育についてお話ししたいと思います。
 
 教育とは、頭つまりブレーン、それからハート、そしてもう一つ腹、この三つです。ブレーンは知識、頭、ハートは、胸、優しさや思いやりのことです。ここまでの教育は戦後してきました。ところが、腹の教育がなくなってしまったのです。英語では、腸をガッツ(guts)と言います。日本でも同様で、「腹が据わっている」ということを「ガッツがある」と言います。そういう日本人が少なくなって、日本が浮遊しているのです。
 
 私はそれを国会議員たちにも感じてきました。先日、ヨーロッパに視察に行ったときのことです。特定秘密について各国がどういう対応しているかを調査することを目的に、自民党から共産党まで超党派で行ったのですが、そこで、自民党も含めて、著名な国会議員などにも、やはり少し幼稚さ、うぶさがあることが分かったのです。
 
 例えば、自民党のある重鎮の議員は、「この特定秘密保護法ができたおかげで日本は秘密を守ることのできる体制になった。だからどんどん秘密をください」と言うわけです。しかし、各国とも諜報活動など多額の費用と命をかけて情報収集・分析をしているのに、日本に特定秘密保護法ができたからといって簡単に秘密情報をくれるわけがありません。もし情報をくれたとしても、彼らにとって都合のいいものだけです。
 
 また例えば「安倍首相の靖国神社参拝をどう思うか」というようなことを質問する与野党議員が複数いました。そんなことは日本人が自分で考えるべきことで、政治家が聞く質問ではないと私は思います。こういうところになんとなく、うぶというか幼稚さというか、ガッツのなさを感じるのです。
 
 これは政治家だけではありません。経営者も、ばれなければ偽装表示でもいいと考えるなど、とにかく自分自身を律する大義がありません。教育界でも同様です。校内暴力やいじめが陰湿化しています。しかし、そのことについて教育者や教育行政に関わる人がどう対応しているかというと、これも「ばれなければいい」という状況です。そして、うるさい親の顔を見て、うるさい子供の顔を見て、おだてて、自分が担任をしている間は問題が起きないようにする。これが今の教育界の対応...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
日本人が知らないアメリカ政治のしくみ(1)アメリカの大統領権限
権限の少ないアメリカ大統領は政治をどう動かしているのか
曽根泰教
中国の「なぜ」(1)なぜ「中国は一つの国なのか」
武力で負けても文化で勝つ? 恐るべし「中原」の同化力
石川好
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦

人気の講義ランキングTOP10
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
世界は音楽と数学であふれている…歴史が物語る密接な関係
中島さち子
熟睡できる環境・習慣とは(3)睡眠にいい環境とお風呂の入り方
布団に入る何分前がいい?入眠しやすいお風呂の入り方
西野精治
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
堀口茉純
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
内側から見たアメリカと日本(2)アメリカの大転換とトランプの誤解
偉大だったアメリカを全否定…世界が驚いたトランプの言動
島田晴雄
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建