人類の成果・高齢化を楽しむ
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
人類の平均寿命は100年ほど前までは31歳だった?!
人類の成果・高齢化を楽しむ
小宮山宏(東京大学第28代総長/株式会社三菱総合研究所 理事長/テンミニッツ・アカデミー座長)
短命な時代が長く続いてきた人類。しかし歴史に名を残した人物の多くは現代と変わらぬ長寿を全うしていた。平均寿命の急激な増加から世界を読み解き、高齢社会への向き合い方を考える。
時間:6分51秒
収録日:2013年10月21日
追加日:2014年6月28日
カテゴリー:
 前回、人類が今、非常に特殊な時代に入ったということを、地球環境、それから産業革命の飽和、その結果としての人工物の飽和という例でお話ししました。もう一つ、極めて重要な人類の節目というのが、私は「寿命」だと思います。


●短命だった人類の歴史


 現在、「高齢社会」というのが非常に何かネガティブなことのように語られている。しかし、そんなことはないのです。長生きできるようになったというのは、これは「文明が成功した」と捉えるべきだと私は思います。

 WHOのデータによりますと、去年、世界のすべての人々の平均寿命は70歳に達しました。ところが、調べてみると人類は非常に短命だったのです。エジプトのころや、千年前といったようなところは、世界の平均寿命はだいたい24、25歳くらいだったようです。1900年くらい、いまから110年くらい前、そのころになってもまだ世界の平均寿命は31歳です。ですが、20世紀に入って一気に40歳まで世界の平均寿命が延びてきたと言えます。

 ところが、100年前に平均寿命が31歳、千年前には24、25歳という値は、少し僕らが知っているいろいろな事実と違うような気がする。それで調べてみると、聖徳太子は48歳まで生きています。織田信長は幸若舞を舞うときに「人生50年」と言っています。ですから、24、25の平均寿命とずいぶん違うのです。そういう意味でいろいろウィキペディアを叩くと、誰が何歳まで生きたというのがすぐわかりますので、いろいろ見てみると、ジュリアス・シーザーは56歳のときに暗殺され、それからアルキメデスは70歳以上生きた。面白くなって数十人ウィキペディアを叩いて、私が叩いたなかで一番長生きしたのはプラトンのようですね。82歳まで生きたと書いてある。だから、私たちが知っているような、いわゆる歴史に名をとどめたような人というのは、40歳、50歳、60歳、70歳まで生きているわけです。


●平均寿命は豊かさの指標


 では、これと世界の平均寿命が24、25歳ということは、どういう関係にあるのか。私はこう思います。歴史に名前をとどめたような人というのは、ごくひと握りの裕福な、いわば「食べられた人」だと思います。さらに衛生状態の良いところに暮らして、水もクリーンな水が飲めて、今とは比較にならないといっても当時の医療にも接することができた。そういう人たちが、僕らが知っているような人たちなのです。でも、その人た...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
沖大幹
知能と進化(1)知性と身体性
AI、ディープラーニングとは…知能と身体性は不可分か?
長谷川眞理子
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
性はなぜあるのか~進化生物学から見たLGBT(1)有性生殖と無性生殖
なぜ雄と雌の2つの性別があるのか…「性」の謎とLGBT
長谷川眞理子

人気の講義ランキングTOP10
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
インフレの行方…歴史から将来を予測する(5)トルコ化の可能性と円安の要因
年率80%を超えるインフレ!…日本は「トルコ化」するか?
養田功一郎
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(4)ベントの死闘とプロの責任感
「これからベントをやる。メンバーを決める!」…決死の現場
門田隆将
編集部ラジオ2026(3)高市政権の行方と「明治維新」
高市政権の今後は「明治維新」の歴史から見えてくる!?
テンミニッツ・アカデミー編集部
平和の追求~哲学者たちの構想(7)いかに平和を実現するか
国際機関やEUは、あまり欲張らないほうがいいのでは?
川出良枝
こどもと学ぶ戦争と平和(4)人間はなぜ戦争をするのか
人間はなぜ戦争をするのか?2つの要因から問う平和の条件
小原雅博
おもしろき『法華経』の世界(9)「如来寿量品」と三身論
仏の寿命は無量で久遠に実在する…「如来寿量品」の神秘
鎌田東二
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(6)曼荼羅の世界と未来のネットワーク
命は光なのだ…曼荼羅を読み解いて見えてくる空海のすごさ
鎌田東二
AI時代と人間の再定義(6)道徳の起源から考えるAIと感情の問題
道徳の起源は理性か感情か?…AI時代に必要な思考の身体性
中島隆博
徳と仏教の人生論(6)物事の本質を見極めるために
「境地は裏切らない」とは?禅の体験から見えてきたもの
田口佳史