●秀才や英才はとてつもない努力をした人
三浦雄一郎さんと『致知』という雑誌で対談(2013年8月号「果てなき限界への挑戦」)したのですが、王貞治さんがあの雑誌の愛読者で、「自分と重なる部分がたくさん見つかった」とおっしゃっていました。やはり野球の世界でも通ずるところがあるのですね。
山内(昌之)先生もそうだと思います。皆、共通な部分があると思います。姿勢を崩していらっしゃらないというところが、非常な努力を重ねているのですね。
秀才とか英才というのは、とてつもない努力をした人であると思っています。典型的なのはヘレン・ケラーさんです。三重苦で、いい先生にめぐり会ったということもありますけれど、ご自身の努力は並大抵ではないと思います。
ですから、私が今、教育再生実行会議で常に言っていることは、「実力を養え」ということです。努力した人のみが勝利者になるということを、私は固く、固く信じているのです。王貞治さんの練習量も、イチロー選手もそうだと思うのですが、その積み重ねなのです。そこが違うのです。
●自分に限界を設けてはいけない
では、私たちにできないのかというと、できないことはないのです。あとは、自分の意志と、決断力と行動力、それをうまく組み合わせれば、どなたにでもできるということです。
それに自分に限界を設けて、自分はもう能力的に不足しているとか、体力的に無理だとか、いろいろな理由を自分につけて、自分に言い訳をしているというところがありはしないかと私は思います。限界を設けてはいけないのです。山内先生もきっとすでに限界を突破されているかなと思うのです。私はまだ足元にも及びませんが。そういう自分の目標、自分が自分に約束したことを、実現するかどうかということだと思います。