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米国のBMW族と超電導リニアは親和性が高い?

超電導リニア(SCMAGLEV)を日米同盟のショーケースに

葛西敬之
元東海旅客鉄道(JR東海)代表取締役名誉会長
概要・テキスト
日米が国家レベルで協働し、計画が進む超電導リニア(SCMAGLEV)。飛躍的に進化した技術と脱自動車型のモビリティースタイルは、都市と経済の構造をどう変え、社会にどんな光をもたらすのか。JR東海の葛西敬之名誉会長に展望を聞く。
時間:08:42
収録日:2014/04/15
追加日:2014/07/10
≪全文≫

●超電導リニア(SCMAGLEV)で日米同盟を強化し、技術の裾野を広げる


―― 技術開発に関するライセンス料をフリーにしてしまうとは、すごいですね。

葛西 そんなところで少しお金を稼いで、そのために時間がかかっても意味がありません。何かを成し遂げるときの要諦はエネルギーを最大にすることで、そのためにはやはり集中して、しかも素早くやるということです。エネルギーはmv2ですから。何かに焦点を合わせたら、そこに焦点を絞ることと、速やかに行動すること、これがあらゆるものの成功の秘訣だと思うのです。ですから、「せっかくわれわれが完成した技術をアメリカにライセンス料フリーで提供してしまうのか」ということではなく、日本政府としてこの技術を生かして日米同盟を強化し、それとともに技術そのものの裾野も広げるという形になるのが最善だと思うのです。


●米国式〝BMW〟と超電導リニア(SCMAGLEV)の親和性


葛西 ワシントン~ニューヨーク間は350キロメートルですから、東海道新幹線の東京~名古屋間とほぼ同じ距離です。東京~名古屋間が完成すると、東京~名古屋間の地域は、どこにいても1時間以内で動けるようになります。それから東海道新幹線についても、ひかりの本数が増えますから、例えば豊橋、静岡、浜松、それから三島、小田原、どこにいても、東京、名古屋、大阪に、今までより大幅に時間を短縮された形で行けます。これによってこれらの地域が一つのまとまった地域になります。

最近アメリカでよく言われているらしいのですが、ニューヨークで一番進んだ人たちはどういう生き方をするかと言うと、〝BMW〟なんだそうです。これは何かというと、〝bicycle〟〝metro〟〝walk〟の頭文字を略して〝BMW〟と言うのだそうです。ニューヨークは道が非常に混雑して、自動車で通勤すると大変な長い時間がかかる上に、予測がつかないほど時間がかかることもある。しかし自転車なら大丈夫だと。自転車で駅まで行き、地下鉄に乗って、あとは歩けばいいのだと言っているのです。ですので、マグレブ(超電導リニア/SCMAGLEV)がワシントン~ニューヨーク間をつなぎますと、ワシントン~ニューヨーク間350キロの地域がみんなそういうスタイルになるのです。マグレブの駅まで自転車で行き、そこからマグレブへ乗って、あとはオフィスまで歩け...
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