対中国問題は政経分離で考えよ
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「諸国間の経済的相互依存が戦争を無効化させる」は誤り
対中国問題は政経分離で考えよ
岡崎久彦(外交評論家)
強大化した中国は、今や日米をも上回る軍事力を持つに至った。脅威である。しかしそんな中国にも、重大なアキレスの踵があると岡崎久彦氏は指摘する。安全保障とビジネスの関係を喝破した卓見。
時間:12分13秒
収録日:2014年6月25日
追加日:2014年7月31日
カテゴリー:
≪全文≫

●戦闘機保有数推移にみる中国航空戦力の脅威


── 先生の『文藝春秋』7月号の記事(「尖閣激突 中国航空戦力が日米を上回る日」)、あれはすごく好評でした。

岡崎 そうですか。この前ここで話した内容ですよね。前回、この話はしましたか。私はあの論文を、「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」の最後の会議(第7回 平成26年5月15日開催)で発表したのです。何年も続く会議の最後の回ですから、もう後は皆でお礼を言ったりするような、いわば手打ちの日なのですが、私の番になって「こんな時間にこんな話を持ち出して申し訳ないけれども」と言って、あれを発表しました。

 どうしてかと言うと、集団的自衛権というものは、権利があると書いた以上は行使するのが当たり前ではないか、ごたごた言うなと私はずっと言ってきました。皆そうでした。皆これまで法律議論しかしていなかったのです。

 ところが、集団的自衛権議論の最後の頃になって、政府が「国際情勢がここまで緊迫している以上はやらざるを得ない」と言い出したのです。誰が言ったか知りませんが、これは一種の修辞だと私は捉えました。それで、私は「そんなばかなことはない。法律的にもはやしなければならないものをするのであって、国際情勢は関係ない」と思っていたのです。大体私は35年前から言っているし、その頃の方が情勢はひどかったのです。そう言っていましたら、自民党の派閥、これは名前を言っても構いませんが、二階俊博さんの派閥の志帥会で勉強会をして、派閥の態度を決めようということになりました。それで頼みに来たのが、大蔵省出身の若い人で、長崎幸太郎さんでした。

── 長崎幸太郎さん。

岡崎 あれは立派な人物です。彼が訪ねて来て、「法律面は分かっている。しかし情勢がどのくらい悪くなったのかを教えてくれ」と言うのです。私は、情勢が悪くなったと思っていなかったので困ってしまいまして、それで初めて今の国際情勢を勉強したのです。すると、勉強しているうちに私自身が愕然としてきました。これは大変だと。これは法律が何であろうと構わないから、すぐにでも集団的自衛権を認めなければいけないという結論に、私自身がなったのです。ぎりぎりだったのです。そこで、法制懇の最後の会議で、手打ち式の最中に「こんな時間になってこんなことを申し上げて悪いけれども」と言って、あれ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
経済社会と「隠れた価値」の行方(1)経済の中の価値
人間の幸福と「価値」…お金以外の「隠れた価値」をどう考えるか
吉川洋
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
岡本浩

人気の講義ランキングTOP10
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨
「満洲」から考える日本とアジア(10)戦後の「五族」の運命
「五族協和」の真実と満洲国崩壊後の五族の悲劇…満洲人、朝鮮人、露人、蒙古人、漢人らの戦後悲史を直視せよ
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
『源氏物語』を味わう(3)形容詞からの楽しみ方
美しい形容詞の使い分け…『源氏物語』の表現を味わう
林望
本番に向けた「心と身体の整え方」(1)ディテールにこだわる
トップアスリートが実践する「自分の高め方」とは…まず集中のスイッチを入れる方法は?
為末大
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
大国主神に学ぶ日本人の生き方(8)求婚の歌と縁結びの力
大国主神が詠んだ歌…『古事記』の歌の意味と縁結びの力
鎌田東二
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博