今回の選挙の経緯と争点であるアベノミクスについて
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「三本の矢」の成果は? 2年間の是非を問う
今回の選挙の経緯と争点であるアベノミクスについて
星浩(ジャーナリスト 元 朝日新聞社 特別編集委員/TBSスペシャルコメンテーター)
衆議院選挙が始まった。今回の選挙の裏側には何があるのか。最大の争点・アベノミクスは果たしてどうなっているのか。星浩氏が語る総選挙・第1回目。
時間:9分48秒
収録日:2014年11月20日
追加日:2014年11月21日
カテゴリー:
≪全文≫

●現時点での解散が長期政権を狙うラストチャンス


 こんにちは。朝日新聞社の星浩でございます。衆議院総選挙がいよいよ始まりました。今回の選挙について、何回かに分けてお話しいたします。1回目は、この選挙の意味について考えてみたいと思います。

 今回の選挙は、安倍晋三総理が突然提起しました。法律上は2015年10月、8パーセントから10パーセントへ消費増税をすることが決まっていますが、その法律には景気条項がありまして、景気動向によっては延期が可能です。安倍総理は今回、消費増税を18カ月延期し、2017年の4月からにするという判断に至りました。そのことについて国民の信を問うという名目で衆議院の解散に踏み切り、総選挙を行う宣言をして解散劇がスタートしたわけです。

 振り返りますと、安倍総理はどうやら秋口から解散のタイミングを狙っていたようです。9月に内閣を改造して、女性閣僚を5人入れ、幹事長には谷垣禎一さんを起用するといった比較的斬新な布陣にしましたが、思いがけず小渕優子経産大臣と松島みどり法務大臣に政治と金をめぐるスキャンダルが噴出し、2人の女性閣僚が辞任することになりました。それによって政権の求心力が一気に低下しました。

 そこで安倍総理の頭の中に何が出来したかと言いますと、来年の政治日程は政権に厳しいことばかりだということです。年が明けると、まず鹿児島・川内原発の再稼働を認めることになります。さらに4月には統一地方選があります。自民党の議員は、統一地方選で必死に活動した分、その後は国政選挙のために一生懸命動く熱意が冷めるため、統一地方選の後は自民党があまり有利でないというのが、永田町のジンクスなのです。

 加えて、景気もなかなか浮上してきません。それから、春から夏にかけては集団的自衛権の関連法案を国会に提出します。来年4月以降の通常国会で、自衛隊法改正案、周辺事態法の見直しなどによって、自衛隊が海外で武力行使できる道を開くのです。しかし、そこでは相当もめることになりそうです。このようなことも踏まえると、来年の春以降は厳しい政局が続き、政権の求心力がさらに低下する可能性があります。

 安倍総理は、来年の秋に自民党の総裁選を控えています。この総裁選で何としても再選を勝ち取って、残り3年の任期を得ようという狙いがあります。そのためには、この時点での解散が...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
岸信介と日本の戦前・戦後(1)毀誉褒貶相半ばする政治家
「昭和の妖怪」岸信介の知られざる実像を検証する
井上正也
独立と在野を支える中間団体(1)「中間団体」とは何か
国家の中で個人が楽しく生きるために、なぜ「中間団体」が重要か
片山杜秀
政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(1)二人の思想家
モンテスキューとルソー…二人の思想家の共通の敵とは?
川出良枝
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生

人気の講義ランキングTOP10
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
「満洲」から考える日本とアジア(6)21カ条の要求と第一次世界大戦
日本が中国に出した「21カ条の要求」の罠と必然…不安定な満洲利権を手にした日本が直面した難題とは?
宮脇淳子
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(5)恐るべき台湾への「浸透」
浸透工作…台湾でスパイ裁判が約70件、それも氷山の一角
垂秀夫
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
死と宗教~教養としての「死の講義」(6)日本人の「死」と法然
南無阿弥陀仏と唱えて極楽浄土へ…法然の革命の意味とは
橋爪大三郎
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博