テンミニッツTVが挑む「知の革命」
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
東大EMP「知の共有」からテンミニッツTVの「知の革命」へ
テンミニッツTVが挑む「知の革命」
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
従来のメディアでは、多くの時間を割いて知識人・著名人に取材をするものの、使われる部分はほんの一握りであった。その形態を大転換させたのが「テンミニッツTV」である。その根底には、東大EMPが行っている「知の共有」を一般にも広めたいという壮大なビジョンがあった。
(2022年5月16日開催島田塾第200回記念特別企画「これからの日本をどうする」より)
時間:4分01秒
収録日:2022年5月16日
追加日:2022年9月7日
≪全文≫

●東大EMPの「知の共有」へ、テンミニッツTV誕生の背景


 小宮山宏先生が「知の構造化」に取り組まれたということで、そのあたりを整理させていただきたい。

 EMP(東京大学エグゼクティブ・マネジメント・プログラム)です。東大には20~30ほどの学部があります。僕も学長を務めていたことがありますから分かりますが、学部をまとめるのはとても大変です。東大はとても大きな大学で1000人~2000人ほどいる先生全てではなく、その中から80人ほどをピックアップしました。よくぞこのようなことができたと思うのですが、行いましたね。

 そして高い月謝を取り、産業界と官界などから人を集めて、非常に高いレベルの「知の共有」をしたのです。

 ただ、「これでは時間がかかって仕方がない。一気に広げよう」となって、次に「テンミニッツTV(テンミニッツTVオピニオン)」という教養メディアのプログラムを始めました。その時、小宮山先生が座長で、僕も一緒に関わったのですが、当時「行っていることは宗教革命だ」という文章を書いたのです。

 どういうことかというと、私たちはテレビなどで数多く取材されるのですが、30分ほど話を聞かれて、実際に使われるのは20秒程度です。20秒が使われるということは、プロデューサーや企画者の言いたい部分だけを抜かれてしまうのです。「なんだ、これは」といったことで、知識人は皆、それに不満を持っている。そこで、全て話をさせて、聞きたい人に全てを聞かせようではないかという希有なメディアを考えたのです。よくぞこんなことを考えてくれました。

 私はそれに付き合っているうちに、(先述したように)「これはマルティン・ルターの宗教革命だな」と思いました。つまり、マスメディアは人に30分間話を聞いて、1分以上報道しない。全てマスメディアの思うように編集してしまう。新聞もそのような面が少しありますが、特にテレビはひどいですね。人々はテレビから情報を受け取っています。SNSはさらにひどい状態です。

 それに対して(テンミニッツTVは)敢然とチャレンジしたのです。 言いたいことを全て言わせる。そして聴きたい人がお金を払い、「テンミニッツ」ですから10分間ほど聴く。私のように話の長いものを聴かせるときは15回ほどに分けます(皆さん我慢して聴いてくださるのです)。


●ルティン・ルターの宗教革命を彷彿させる「知の革命」


 こ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
日本人が知らない自由主義の歴史~後編(1)ニューリベラリズムへの異議
ハーバート・スペンサーとダイシー…20世紀の危機の予言者
柿埜真吾
渡部昇一の「わが体験的キリスト教論」(1)古き良きキリスト教社会
古き良きヨーロッパのキリスト教社会が克明にわかる名著
渡部玄一
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
老荘思想に学ぶ(1)力のメカニズム
老荘思想は今の時代に人類の指針となる
田口佳史
北欧神話の基本を知る(1)世界でもっとも悲観的な神話
世界滅亡を予言!?人類史上もっとも悲観的な北欧神話とは
鎌田東二

人気の講義ランキングTOP10
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(3)未解決のユダヤ問題
「白人vsユダヤ人」という未解決問題とトランプ政権の行方
東秀敏
徳と仏教の人生論(6)物事の本質を見極めるために
「境地は裏切らない」とは?禅の体験から見えてきたもの
田口佳史
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ
人生100年時代の「ライフシフト概論」(3)キャリアの危機〈下〉
40代前半に訪れる「中年の危機」、鍵は「人生の成長戦略」
徳岡晃一郎
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(6)習近平のレガシー
国力がピークアウトする中国…習近平のレガシーとは?
垂秀夫
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(6)評価制度設計と「夢」の重要性
なぜ二本立ての評価制度が必要か…多種多様な人材の評価法
水野道訓
経験学習を促すリーダーシップ(4)成功を振り返り、強みを伸ばす
なぜ強みが大事なのか?ドラッカー、西田幾多郎の答えは
松尾睦
編集部ラジオ2025(26)ソニー流!多角化経営と人材論
ソニー流「人材の活かし方」「多角化経営の秘密」を学ぶ
テンミニッツ・アカデミー編集部
「アカデメイア」から考える学びの意義(1)学びを巡る3つの危機
「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機
納富信留