Q.政権を担うということはどういうことか
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
駅伝のランナーのように歴代総理がたすきをつなぐ
Q.政権を担うということはどういうことか
野田佳彦(衆議院議員/第95代内閣総理大臣)
第95代内閣総理大臣 野田佳彦が自身の任期をふりかえる。
時間:2分31秒
収録日:2013年11月6日
追加日:2014年2月24日
カテゴリー:
 私は95代目の内閣総理大臣を480日間勤めさせていただきました。伊藤博文から数えて95代目です。

 分かりやすい例えでいうのですが、駅伝のランナーのような気持ちなのです。初代からたすきがけをずっとしながら、歴代の総理大臣が、それぞれの困難な時代があったと思うのですけれども、一生懸命走って次の人にたすきを渡す。そういう大役をみんな果たしてきたと思うのです。

 私の場合は、これは巡り合わせとはいいながらも、震災からの復興はあるし、原発事故との戦いもありますし、歴代政権が残念ながら先送りをしてきた社会保障と税の一体改革など、外交案件も尖閣を含めていろいろと出てまいりました。

 そういう問題を自分の代で、先延ばしにしないで自分が走っている間にはしっかりと結論を出す、方向性を出すということを心がけたつもりであります。駅伝でいうと箱根5区の担当で、険しい山登りを担当した走者だと思います。おまけに身内から足を引っ張る人も出てくる中で、困難な走りでありましたけれども、懸命に険しい山を登ったつもりです。それぞれ万人が応援をしてくれるような解決方法はありませんでした。むしろ国論を二分するような、不人気な方を選択せざるを得ないようなことも含めて、自分なりに政治決断をしてきたつもりです。

 たすきは安倍さんに渡しましたけれども、自分の相剋観について、評価は歴史にゆだねたいというように思います。原発の再稼働も重たい決断でした。社会保障と税の一体改革では、民主党も壊れるという事態が生まれました。ただ言えることは、党利党略よりは天下国家のために、将来の世代のことを考えながらの政治判断を積み重ねてきた、そういうつもりです。

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
岡本浩
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博

人気の講義ランキングTOP10
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
歴史の探り方、活かし方(5)史実・史料分析:秀吉と秀次編〈下〉
『武功夜話』は偽書か?…疑われた理由と執筆動機の評価
中村彰彦
内側から見たアメリカと日本(6)日本企業の敗因は二つのオウンゴール
日本企業が世界のビジネスに乗り遅れた要因はオウンゴール
島田晴雄
編集部ラジオ2025(29)歴史作家の舞台裏を学べる
歴史作家・中村彰彦先生に学ぶ歴史の探り方、活かし方
テンミニッツ・アカデミー編集部
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
いま夏目漱石の前期三部作を読む(1)夏目漱石を読み直す意味
メンタルが苦しくなったら?…今、夏目漱石を読み直す意味
與那覇潤
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――認知行動療法とポジティブ・ルーティーン
西野精治