トランプ・ドクトリンと米国第一主義外交
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
トランプ・ドクトリンの次の段階とイランへの空爆の意味
トランプ・ドクトリンと米国第一主義外交(3)世界史の転換点としてのドクトリン
東秀敏(米国大統領制兼議会制研究所(CSPC)上級フェロー)
2025年5月の中東歴訪でトランプ大統領は、シリアとのディールを締結した。それは、ビジネスファーストのトランプ・ドクトリンを象徴する出来事だった。これまでのアメリカ外交では考えられないこうした動きを実現した裏人脈とはいかなる存在か。イランとの歴史的和解の狙い、アメリカのイラン空爆についても触れながら、世界史の転換点ともいえるトランプ・ドクトリンの内実を考察する。(全3話中第3話)
時間:9分37秒
収録日:2025年8月4日
追加日:2025年9月27日
カテゴリー:
≪全文≫

●アメリカのシリア・ディールの狙い


 次に行きたいと思います。

 アメリカ・シリアのディールが今回サウジアラビアの訪問時に締結されたわけなのですけれど、トランプ・ドクトリンの実践のハイライトというべき瞬間でした。サウジアラビアのMBS(ムハンマド・ビン・サルマーン)皇太子の仲介で、トランプ大統領がシリアの事実上の大統領アッ=シャラア(アル・シャラア)と笑顔で握手するわけなのです。

 しかし、このシャラアという人物はアルカイーダ・イスラム国出身のテロリストのリーダー格であり、2024年の対シリア電撃侵攻以降、事実上の指導者として恐怖政治で国家統合をやっています。

 頻繁に、シリアのディールが締結された後もシリアでキリスト教徒の虐殺が行われているとか、そういうニュースを耳にするのですけれど、民主主義とはかけ離れたような国です。

 本当に、イスラム国が10年ぐらい前にシリアを支配した当時とあまり変わっていません。一方、アメリカの態度として、シリア国内のキリスト教徒にはかなり配慮をしているのですけれど、虐殺を黙認しています。トランプ大統領が先ほど(第2話)のリヤドの演説でシリアに対して言及したわけなのですけれど、「シリアに偉大さを追求するチャンス」と言いまして、その発言をした直後に、アメリカの対シリア経済制裁を全面解除しました。シリアにシェブロン等のアメリカ企業が参入して、中露の影響力の排除、つまりシリアの中立化をアメリカ企業が参入することで狙うというわけなのです。

 実は2018年に当時の第1次トランプ政権がイスラム国のテロリストのトップのジョラウニの首に懸賞金をかけたわけなのです。

 (当時、日本円で)約15億円ぐらいだったと思うのですけれど、トランプ大統領ご自身が首に懸賞をかけた人物を今回大統領として扱って、笑顔で握手しているのです。これは今までのアメリカの外交では考えられないようなことをやったわけなのですけれど、まさにこれがプラグマティズムを発祥とするビジネスファーストの、トランプ・ドクトリンのハイライトというべき瞬間でした。


●アメリカ企業のシリア参入を支えた裏人脈


 このシリア・ディールの裏側を少し考察したいと思うのですが、どういうふうにこのような物議を醸すよう...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
市場予測のポイント…短期・中期・長期の視点と歴史的洞察
養田功一郎
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文

人気の講義ランキングTOP10
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(7)若者の引きこもりと日本の教育問題
日本の引きこもりの深い根源…「核家族」構造の問題とは?
與那覇潤
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(序)『ばけばけ』と『神国日本』
ラフカディオ・ハーンの遺著『神国日本』の深い意義とは?
賴住光子
編集部ラジオ2026(9)「トランプ大統領」の視点・論点
【テンミニッツで考える】「トランプ大統領」をどう見るか?
テンミニッツ・アカデミー編集部
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
新撰組と幕末日本の「真実」(6)新撰組結成と清河八郎、芹沢鴨
清河八郎と芹沢鴨…乱闘事件や大和屋焼討事件の真相とは?
堀口茉純
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(5)羽柴軍団の戦い方
長期包囲戦だけではない!“軍事的天才”秀吉軍団の戦い方
黒田基樹
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(1)定年制は要らない
仕事をするのに「年齢」は関係ない…不幸を招く定年型思考
出口治明
睡眠:体、脳、こころの接点(1)睡眠とは?
なぜ睡眠は生きるために必要?脳にある覚醒中枢と睡眠中枢
尾崎紀夫
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄