日本文化の歴史的な特性を考えながら、その日本文化がこれからの世界にいかなる光を投げかけうるかを探っていくシリーズ。第一話では、神武天皇の詔を出発点として、諸々の価値観の融合を成し遂げていった特質を見ていく。日本文化の一つの特性は「陰陽の対立」のような矛盾した価値観でも抱え込んでいくことである。この特性が、他国には例があまりない、「核融合」のような価値観の融合をもたらしていく。そして、日本における最大の核融合は神仏習合である。そして、近代哲学において神仏習合的な融合をやり遂げたのが西田幾多郎である。日本の「核融合」は外国から見たら「いい加減」に見えるが、この「いい加減」がこれからの世界では大事になるのである。(全11話中第1話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツ・アカデミー論説主幹)
日本文化の世界的特徴
正しさを養う…なぜ日本は対立する価値観を融合できるのか
日本文化の世界的特徴(1)日本文化の「核融合」…神仏習合
執行草舟(実業家/著述家/歌人)
2.日本人が武士道で成し遂げたこと…高貴と野蛮の融合と体現
2025年12月26日配信予定
3.蔭位の制という知恵…なぜ日本は2000年も体制が壊れないのか
2026年1月2日配信予定
4.中国語を「日本語で読める」ようにした漢文訓読の凄さ
2026年1月9日配信予定
4.中国語を「日本語で読める」ようにした漢文訓読の凄さ
2026年1月9日配信予定
5.天皇は神話と現実が同一化されている「目に見える象徴」
2026年1月16日配信予定
6.「御稜威の力」こそが敗戦国として占領された日本を救った
2026年1月23日配信予定
7.タイトル未定
2026年1月30日配信予定
8.タイトル未定
2026年2月6日配信予定
9.タイトル未定
2026年2月13日配信予定
10.タイトル未定
2026年2月20日配信予定
11.タイトル未定
2026年2月27日配信予定
時間:17分29秒
収録日:2025年10月23日
追加日:2025年12月19日
収録日:2025年10月23日
追加日:2025年12月19日
≪全文≫
●「自分が正しい」ではなく、「正しさを養う」と言った神武天皇
執行 今日、神藏さんにお話ししたいのは、日本文化が世界を覆っていかなければいけない、ということです。私の考える日本文化の世界的特徴の話を聞いてもらい、神藏さんの意見も聞きたいと思っています。
―― それは、ありがたいです。
執行 昔、イザヤ・ベンダサン(山本七平)が「日本教」という言葉を日本人に付けました。あの日本教についての私なりの解析でもあります。
日本文化の特徴を簡単に言うと、陰陽の対立です。陰陽2つがいつも対立している。それから左右がいつも対立している。東西がいつも対立している。必ずどんなところでも2つの価値観がある。この2つの価値観のどちらが偉いとか、どちらが下かといった上下がなく、ぐるぐる回っている。これが日本文化の特徴だと思っています。
日本人が何かの価値を出すことを私は現代の言葉を使って「核融合」と言っています。融合したことがわからない、混ざったことがわからないものを核融合と呼びます。核が完全に一緒になる。こういう核融合を起こしたことが、日本の歴史的にすごく優れたところではないか。2つの対立したものを見てもわからないところまで融合してしまう。融合したことがわからないのです。
―― なるほど。ぐるぐる回っているのですね。
執行 回っていてわからない。これをやれるのが、世界で日本だけではないかと思っています。この考え方をうまく持っていくと、本当の世界平和、人類の本当に根源的な思想が作れると思っています。われわれ日本人は、そういうものに全然、違和感がない。そういう生き方が、いい意味の日本人らしさです。
これはわからない人が見ると、ちょっといい加減にも見えます。黒白がはっきりしないわけですから。
―― そうですね。ぐるぐる回っているわけですね。
執行 ぐるぐる回って、知らないうちに融合している場合がある。その融合点がどちらかというと、素晴らしいものになる。それが日本文化ではないか。この日本人の特徴、日本教が世界を覆わなければ、これからのホモサピエンス、人類の本当の世界平和は実現しないというのが私の考えです。そこから人類再生が出るのではないか。
この日本教と呼ばれるものの核心は何かを私は長年考えていますが、神武天皇の詔、日本の建国のときに言った「養正」ではないか。日本建...
●「自分が正しい」ではなく、「正しさを養う」と言った神武天皇
執行 今日、神藏さんにお話ししたいのは、日本文化が世界を覆っていかなければいけない、ということです。私の考える日本文化の世界的特徴の話を聞いてもらい、神藏さんの意見も聞きたいと思っています。
―― それは、ありがたいです。
執行 昔、イザヤ・ベンダサン(山本七平)が「日本教」という言葉を日本人に付けました。あの日本教についての私なりの解析でもあります。
日本文化の特徴を簡単に言うと、陰陽の対立です。陰陽2つがいつも対立している。それから左右がいつも対立している。東西がいつも対立している。必ずどんなところでも2つの価値観がある。この2つの価値観のどちらが偉いとか、どちらが下かといった上下がなく、ぐるぐる回っている。これが日本文化の特徴だと思っています。
日本人が何かの価値を出すことを私は現代の言葉を使って「核融合」と言っています。融合したことがわからない、混ざったことがわからないものを核融合と呼びます。核が完全に一緒になる。こういう核融合を起こしたことが、日本の歴史的にすごく優れたところではないか。2つの対立したものを見てもわからないところまで融合してしまう。融合したことがわからないのです。
―― なるほど。ぐるぐる回っているのですね。
執行 回っていてわからない。これをやれるのが、世界で日本だけではないかと思っています。この考え方をうまく持っていくと、本当の世界平和、人類の本当に根源的な思想が作れると思っています。われわれ日本人は、そういうものに全然、違和感がない。そういう生き方が、いい意味の日本人らしさです。
これはわからない人が見ると、ちょっといい加減にも見えます。黒白がはっきりしないわけですから。
―― そうですね。ぐるぐる回っているわけですね。
執行 ぐるぐる回って、知らないうちに融合している場合がある。その融合点がどちらかというと、素晴らしいものになる。それが日本文化ではないか。この日本人の特徴、日本教が世界を覆わなければ、これからのホモサピエンス、人類の本当の世界平和は実現しないというのが私の考えです。そこから人類再生が出るのではないか。
この日本教と呼ばれるものの核心は何かを私は長年考えていますが、神武天皇の詔、日本の建国のときに言った「養正」ではないか。日本建...