日本文化の世界的特徴として2番目に挙げるのは「武士道」である。人間には「美しさや高貴さ」と同時に、相手を叩き斬る「獰猛で野蛮な部分」もある。高貴と野蛮が本当の意味で交錯し、核融合して、1つの道になっているのが武士道なのだ。西洋の騎士道はその底辺にキリスト教があるのに対し、武士道は日本の習俗や文化として築き上げた。武士道は日本人が築いたものだが、ホモサピエンスが成し遂げた文化ともいえる。これを世界に発信しなければいけない。それでこそ世界平和の思想を築き上げることができるのである。(全11話中第2話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツ・アカデミー論説主幹)
日本文化の世界的特徴
日本人が武士道で成し遂げたこと…高貴と野蛮の融合と体現
日本文化の世界的特徴(2)武士道は何を「融合」したか
執行草舟(実業家/著述家/歌人)
3.蔭位の制という知恵…なぜ日本は2000年も体制が壊れないのか
2026年1月2日配信予定
4.中国語を「日本語で読める」ようにした漢文訓読の凄さ
2026年1月9日配信予定
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2026年1月9日配信予定
5.天皇は神話と現実が同一化されている「目に見える象徴」
2026年1月16日配信予定
6.「御稜威の力」こそが敗戦国として占領された日本を救った
2026年1月23日配信予定
7.タイトル未定
2026年1月30日配信予定
8.タイトル未定
2026年2月6日配信予定
9.タイトル未定
2026年2月13日配信予定
10.タイトル未定
2026年2月20日配信予定
11.タイトル未定
2026年2月27日配信予定
時間:11分08秒
収録日:2025年10月23日
追加日:2025年12月26日
収録日:2025年10月23日
追加日:2025年12月26日
≪全文≫
●恥じらいのない人間は武士ではない
執行 (日本文化の世界的特徴として)2番目が、少し手前味噌になりますが私の好きな武士道です。文化として調べてもらうとわかりますが、人間には美しいだけでなく、本能から出てくる獰猛な部分や野蛮な部分が多くあります。そういう人間のいいものも悪いものも全部抱えたまま、1つの道にしたのが私は日本の武士道だと思います。
―― 道にしたのですね。
執行 ただし、道にしたから綺麗事に変わったのではない。武士道は高貴さをすごく大切にします。だけれど生麦事件のように、一朝事有れば相手を叩き斬る、相手を叩き斬って自分も死ぬ、といった野蛮さや獰猛さを高貴の中に核融合しているのです。
―― なるほど。
執行 ああいうものは日本の昔の武士の姿でしか、私は世界の歴史で知りません。高貴と野蛮が本当の意味で交錯している。核融合です。高貴と野蛮が核融合しているのは、世界の歴史で武士道しか知りません。
明治維新のとき、フランス人を殺した責任をとって切腹を命じられた武士が、自分の腸をフランスの大使や軍人に投げつけたという話(編注:堺事件)もあります。あれを見て、日本人はとんでもない野蛮人だと思ったと、フランス人の手記に書かれています。でも違うのです。外国人を斬った責任を取って、みんなの前で切腹した。あんなことができるのは日本の武士道、武士の世界にしかなかったのです。
あのような高貴と野蛮が完全に核融合している狂気を、あの頃の白人も逆に恐れた。したがって日本が唯一、東洋で植民地にならずに済んだところがあったのです。
―― 怖いですからね。高貴さと野蛮さ、獰猛さ。
執行 これが核融合。この高貴と野蛮が核融合しているところが日本教だと思うのです。
―― でも確かにそうですよね。
執行 全部そうです。これと近い例は、いろいろあります。もちろん例外はいくつかありますが、歴史として到達してできているのは日本だけ。ある意味、西洋もイスラム圏も、もちろんアメリカもないのです。
―― 騎士道と武士道は、そこが違うのですね。
執行 騎士道は近いところがありますが、騎士道はキリスト教が底辺にあるのでバックボーンが少し違います。人間が宗教ではなく、自分たちの習俗、文化として築き上げたのが武士道ですから。
―― なるほど。文化として築いたと。
執行 だから全く矛盾...
●恥じらいのない人間は武士ではない
執行 (日本文化の世界的特徴として)2番目が、少し手前味噌になりますが私の好きな武士道です。文化として調べてもらうとわかりますが、人間には美しいだけでなく、本能から出てくる獰猛な部分や野蛮な部分が多くあります。そういう人間のいいものも悪いものも全部抱えたまま、1つの道にしたのが私は日本の武士道だと思います。
―― 道にしたのですね。
執行 ただし、道にしたから綺麗事に変わったのではない。武士道は高貴さをすごく大切にします。だけれど生麦事件のように、一朝事有れば相手を叩き斬る、相手を叩き斬って自分も死ぬ、といった野蛮さや獰猛さを高貴の中に核融合しているのです。
―― なるほど。
執行 ああいうものは日本の昔の武士の姿でしか、私は世界の歴史で知りません。高貴と野蛮が本当の意味で交錯している。核融合です。高貴と野蛮が核融合しているのは、世界の歴史で武士道しか知りません。
明治維新のとき、フランス人を殺した責任をとって切腹を命じられた武士が、自分の腸をフランスの大使や軍人に投げつけたという話(編注:堺事件)もあります。あれを見て、日本人はとんでもない野蛮人だと思ったと、フランス人の手記に書かれています。でも違うのです。外国人を斬った責任を取って、みんなの前で切腹した。あんなことができるのは日本の武士道、武士の世界にしかなかったのです。
あのような高貴と野蛮が完全に核融合している狂気を、あの頃の白人も逆に恐れた。したがって日本が唯一、東洋で植民地にならずに済んだところがあったのです。
―― 怖いですからね。高貴さと野蛮さ、獰猛さ。
執行 これが核融合。この高貴と野蛮が核融合しているところが日本教だと思うのです。
―― でも確かにそうですよね。
執行 全部そうです。これと近い例は、いろいろあります。もちろん例外はいくつかありますが、歴史として到達してできているのは日本だけ。ある意味、西洋もイスラム圏も、もちろんアメリカもないのです。
―― 騎士道と武士道は、そこが違うのですね。
執行 騎士道は近いところがありますが、騎士道はキリスト教が底辺にあるのでバックボーンが少し違います。人間が宗教ではなく、自分たちの習俗、文化として築き上げたのが武士道ですから。
―― なるほど。文化として築いたと。
執行 だから全く矛盾...