戦後の憲法をGHQがつくったからと憎んでいる日本人もいるが、そう考えているあいだは、日本から世界をリードする文化を築くことはできないと執行氏は言う。敗戦後、日本の庶民は占領軍司令官のマッカーサーを「格好いい」と言い、アメリカ軍から受けた親切も覚えているはずだ。もちろん占領による悪い面もあるが、それでも戦後の日本は戦前よりはるかに豊かになったのだ。この運のよさの一因に天皇陛下の「御稜威の力」があるのではないか。日本人はその恩恵を受けていることに気づく必要がある。(全10話中第6話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツ・アカデミー論説主幹)
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●マッカーサーを「格好いい」と言えるのが日本人の力
執行 だから「(天皇制を)日本がやった」などと自慢してはダメです。私は天皇制(として天皇)が本当の象徴に戻ったのは、GHQのおかげだと思っていますから。
憲法改正もいいけれど、憲法改正も一歩間違えると「アメリカ憎し」「GHQ憎し」になってしまう。私はGHQの中にある日本占領のときのありがたさも歴史的にわかっています。あのとき、アメリカに占領されたことは、世界の敗戦国の歴史を見れば、どのぐらい運がよかったか、わかります。
もちろん悪い部分もありますが、GHQやアメリカにつくられた憲法を憎んでいるあいだは、日本は世界をリードする文化は築けないと思っています。あの当時のアメリカから受けた、いいものもわからないと。
―― それはそうでしょうね。
執行 もちろん憲法も改正しなければダメだと思っています。それでも人から受けた愛がわからないと、いいものはできません。人から受けた愛を認識する力が、昔の日本人の力ですから。
―― なるほど。これは、いい言葉ですね。
執行 だから日本の庶民は、みんなマッカーサーが好きでした。あのほうが私は正直な日本人の心だと思います。かえってインテリたちの「日本はGHQに台無しにされた」という考えのほうが、日本の思想としては間違いだと思います。庶民はみんな「マッカーサー、格好いい」と言っていますから。あれが日本人なのです。占領軍の司令官を憎んでいないということです。
―― マッカーサーが解任されて帰るときもそうでした。
執行 現に今、写真を見ても格好いい。あのコーンパイプです。あんなに格好いい人はいません。でも彼は占領軍司令官です。占領軍司令官を格好いいと思う日本人の魂が、日本教だと私は言っているのです。
―― それが日本の庶民のほうに宿っていたわけですね。
執行 変に分析して、GHQがやった悪さばかり取り上げるのは西洋的な考えだと思っています。やった、やられたと。要はフランス革命です。
日本人はアメリカ軍がやってくれた親切のほうを(覚えている)。私の父もそうでした。父も私も、米軍に占領されて運がよかったと捉えています。食料までもらって。母もそう言っていました。敗戦になる前のほうが、ずっと生活も何も厳しかったそうですから。敗戦によって、普通は悪くなります。でも、日本は生活が豊かになった。...