日本文化の世界的特徴
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
日本の「いい加減さ」こそ「平和を導く思想の核融合」である
日本文化の世界的特徴(10)日本の欠点と思うものが日本の良さ
執行草舟(実業家/著述家/歌人)
大家族主義は、見方を変えると科学なのだ。「父親や社長が優秀だから好き」「頭がいいから好き」というような評価や好き嫌いを乗り越えて、ともに歩んだ人生、ともに味わった苦労が絆となった。日本はこの大家族主義を取り戻す必要がある。道理と情愛が入り乱れている日本的経営には確かに悪い面もあったが、悪い面も含めてそれが世界のマネージメントの経営学の本質にならないかぎり人類の再生はない。計算重視の経営では滅びるだけである。さらに日本人は海外から様々なものを取り入れるときに、最初からうまく骨抜きにして導入してきた。これもかけがえのない知恵であった。日本人が自分たちの欠点だと思っているものが日本文明の良いところなのだ。(全10話中第10話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツ・アカデミー論説主幹)
時間:9分00秒
収録日:2025年10月23日
追加日:2026年2月20日
カテゴリー:
≪全文≫

●変な計算ばかりを重視していたら人類は滅びる


執行 田中角栄の悪いところしか見えないのは、多分フランス革命の思想です。角栄が持っていたいいところは、日本文明です。田中角栄を直接知っている人を私は何人も知っていますが、全員、田中角栄が好きです。田中角栄を引き下ろす最大の評論家といわれた人も、会った瞬間、田中角栄のファンになったそうです。あれが日本なのです。

―― 日本人そのものなのですね。でもフランス革命の(思想を支持する)人から見ると、そうは見えない。

執行 まあ裏金もやるしね。でも反面、例えば私が知っている話で、テレビでもやっていましたが、総理大臣になったときに、お母さんから電話がかかってきたのです。目白御殿で総理大臣のお祝いをみんなからもらっているところをNHKが放送していた。そのとき新潟のお母さんから電話がかかってきたのです。

 今の人が見たら信じられないでしょうが、直立不動です。最敬礼。「はー!」という感じです。お母さんが説教する。「おまえも偉くなったけど、人に世話になっているのを忘れちゃいかんぞ」とか。それが日本なのです。

―― 日本人そのものなのですね。

執行 田中角栄は原始日本なのです。田中角栄はもちろん悪い面もあるけれど、そういう良い面を忘れてはいけない。でも、今引き継いでいる自民党の議員は、田中角栄以前、池田勇人や石橋湛山たちが持っていた良いものを誰も引き継いでいません。みんな悪いところだけです。つまり威張っている(笑)。

 偉い人だから、威張っている面があるのは当たり前です。でも、偉くなったということは、(その人の中に)絶対にいいものがあるのです。そこを見なきゃダメです。

―― そうでしょうね。

執行 そこを見るには、大家族主義的な見方をする。大家族主義は、見方を変えると科学なのです。父親の欠点はこうだけれど、いいところもこうだとわかる。好き嫌いを乗り越えて。それが日本の経営学にもあったのです。

―― なるほど。

執行 だから、昔は「社長が優秀だから社長が好き」などと言う人は少ないのです。社員なら、みんな社長とともに歩んだ人生、社長と歩んだ魂、社長とともにビジネス社会を生き抜いてきた苦労、そういうものが日本の会社の絆だったのです。

―― 「優秀だから好き」ということはないですね。

執行 「うちの社長は頭がいいから好きだ」な...