日本文化の世界的特徴
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蔭位の制という知恵…なぜ日本は2000年も体制が壊れないのか
日本文化の世界的特徴(3)日本の律令制と「蔭位の制」
執行草舟(実業家/著述家/歌人)
4.中国語を「日本語で読める」ようにした漢文訓読の凄さ
2026年1月9日配信予定

5.天皇は神話と現実が同一化されている「目に見える象徴」
2026年1月16日配信予定
6.「御稜威の力」こそが敗戦国として占領された日本を救った
2026年1月23日配信予定
7.タイトル未定
2026年1月30日配信予定
8.タイトル未定
2026年2月6日配信予定
9.タイトル未定
2026年2月13日配信予定
10.タイトル未定
2026年2月20日配信予定
11.タイトル未定
2026年2月27日配信予定
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日本の政治体制――これが日本文化の世界的特徴として挙げる3番目だ。奈良時代から日本は、唐帝国の真似をして律令制を作った。ただし唐の律令制は左大臣・右大臣など左右を作ることで対立と監視の構造だったのに対し、日本の律令制は平安末期頃には名ばかりになった。そうなったのは、「蔭位の制」というあり方を大々的に導入したことによるものである。中国では科挙での採用をどんどん推し進めた結果、優れた人間が出たけれど、易姓革命で何度も王朝を壊す国になった。一方、日本は「蔭位の制」を最大限に活用して、2000年も壊れることなく続いている。(全10話中第3話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツ・アカデミー論説主幹)
時間:15分57秒
収録日:2025年10月23日
追加日:2026年1月2日
カテゴリー:
≪全文≫

●律令制度の中に蔭位の制を入れ込んだ日本の素晴らしさ


執行 次は日本の政治体制です。明治から内閣制で、イギリスの真似をして作りました。今は少し違いますが、内容的には今も同じです。それ以前、日本は中国の真似をして奈良時代に律令制を作りました。

 律令制を作ったのは当時の唐帝国で、唐帝国の真似です。全部そのまま真似で、唐帝国は対立のために左右を作りました。左大臣・右大臣とか、左中弁・右中弁とか。

―― 対立のために作ったのですね。

執行 唐帝国が律令制度を作ったのは「対立させる」ため。今流の言葉で言うと「監視」です。

―― 相互監視。

執行 「相互監視」のために作った。当時の世界最大の帝国だったので、唐帝国の律令制を日本はそのまま藤原不比等が入れたのです。だから、左大臣と右大臣という対立を作った。

 ところが、全く知らないうちに、平安末期から鎌倉にかけての頃には、本当に名前だけになります。歴史を調べてもらうとわかりますが、監視もない、実際的な機能がない。「ただの名前」になってしまった。これがまた日本教なのです。

―― 結局、不比等が入れた大宝律令は幕末まで生きているのですね。

執行 そうです。ずっと1000年、生きている。

―― 肝心な征夷大将軍などは令外官ですよね。あれでやっていけるところがすごい国です。

執行 (そのように)何もかもしてしまう。大久保利通たちが西洋人に胡麻をすって認めてもらおうと思って変えなければ、明治維新後しばらく日本人はあのままやるつもりでした。右大臣・左大臣を。

 ところが、西洋人に認めてもらいたい一心で内閣制を作ったので、内閣総理大臣ができた。でも、本当は(大宝律令の制度を)今でも使っていこうというのが日本人の考えでした。どうしてそうなったかというところが日本教なのです。

 これは今の人からも当時の唐の人からも批判の的でしたが、大手を振って(歴史で習ったと思いますが)「蔭位(おんい)の制」というものを律令制の中に入れました。唐帝国の丸パクリなのですが、それを入れたのです。簡単に言うと、藤原氏を中心に家柄のいい人は無試験で何かになれるのです。一般に言うと「縁故」です。

―― なるほど。科挙は要らないと。

執行 そうです。試験も要らない。勤めている段階も要らない。実績も要らない。位によって藤原氏のナントカの子どもは、何歳...