グローバル時代のハイエンド教育
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
世界で勝ち抜く人材を企業はOJTでいかに教育できるか
グローバル時代のハイエンド教育
経営ビジネス
小林喜光(東京電力ホールディングス株式会社 取締役会長)
世界で勝ち抜くことができる人材の育成、特に次代の経営トップの育成は、グローバル企業にとって最重要課題の一つである。日本の社会に見受けられるそれを阻害する風潮や、その根底にあるメンタリティを指摘しつつ、三菱ケミカルホールディングス社長・小林喜光氏がグローバル時代のハイエンド教育のあり方について語る。
時間:13分36秒
収録日:2014年9月1日
追加日:2015年4月3日
≪全文≫

●この10年で大きく様変わりした日本のエグゼクティブ


―― 前回はリーダー教育のお話をうかがいましたが、グローバルな時代の到来とともに、インターネットが普及しました。これは技術というより使い方だと思いますが、デジタル化が進んだことも、それをさらに加速させています。そのようなことが組み合わさって、この10年で全く違う社会になったような感じがしますね。

小林 そうなりましたね。日本自体も、お酒の飲み方一つを取っても、ホテルで飲む人が増えてしまいました。昔は、その辺のカウンターだけのバーに行ったり、チントンシャンの流れる座敷へ行ったりという人が多かった。今やエグゼクティブでは、そういう人がだんだん減ってきていますね。

 ですから、良いか悪いかは別として、文化そのものもすごく西欧的に転換している。当然ですが、まさに女性が今、大変活躍しています。女性は昔から家庭でも強かったけども、今も強い。

―― 圧倒的に強いです。

小林 圧倒的に強くなっていますからね。

 かつては「日本の経営者は楽でいい」と言われましたが、今の経営者は勉強しないと1日たりとも保てないし、ついていけない。そこは極めてグローバルになっています。本当に、この10年の変化ですよね。


●グローバルで勝ち抜く人間をOJTでいかに教育するか


―― 全く違う社会になってきましたね。特に上層のハイエンドの方が。

小林 それが戦いに露骨に出てきているというか、特に要求されていますね。昔、僕の何代か前の人は毎晩酒を飲んで、4次会だ5次会だとやっていた。土日はゴルフに行って、それが商売だと思っていた社長たちがたくさんいたのです。今も若干いるかもしれませんが、そのような時代とはすごく差があって、今やそんな社長などはあり得ませんからね。

―― 忙しくなっていますよね。

小林 めちゃくちゃ忙しい。社長が一番忙しいのではないでしょうか。

―― そういう意味では、もう全く違う。

小林 違う時代、違う国になっているのではないでしょうかね。しかし、その環境で勝ち抜いていかないといけない。そのような人をオン・ザ・ジョブでどう教育できるのかが重要です。最低限、海外赴任の経験を持たせるとか、難しい事業を建て直させるとか、そのようなローテーションをもう少しメカニカルにやるようにしていかないと、なかなか育たないです。偶然に拾...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
会社人生「50代の壁」(1)“9の坂”とまさかの坂
サラリーマン人生「50代の壁」を乗り越える生き方
江上剛
行動経済学とマーケティング(1)「行動経済学」とは何か
人間はそれほど合理的ではない…行動経済学の本質に迫る
阿部誠
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建
キャリア転換で人生を成功させる方法(1)2つの大きな潮流
なぜ40歳でキャリアについて一度考え直す必要があるのか
為末大

人気の講義ランキングTOP10
数学と音楽の不思議な関係(4)STEAM教育でつくる喜びを全ての人に
世界で最もクリエイティブな国は? STEAM教育が広がる理由
中島さち子
続・日本人の「所得の謎」徹底分析(2)政府債務と預金残高の背景
なぜ日本の所得水準は低いのに預金残高は大きいのか
養田功一郎
経験学習を促すリーダーシップ(2)経験から学ぶ力
米長邦雄のアンラーニング、弟子の弟子になってV字成長
松尾睦
「集権と分権」から考える日本の核心(5)島国という地理的条件と高い森林率
各々の地でそれぞれ勝手に…森林率が高い島国・日本の特徴
片山杜秀
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
未来を知るための宇宙開発の歴史(9)宇宙開発を継続するための国際月探査
「国際月探査」とは?アルテミス合意と月探査の意味
川口淳一郎
第2の人生を明るくする労働市場改革(1)日本の労働市場が抱える問題
シニアの雇用、正規・非正規の格差…日本の労働市場の問題
宮本弘曉
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(8)満州事変と世界大恐慌
「100年戦争」と考えて戦争に突入した日本の現実
片山杜秀
弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(1)弥生時代はいつ始まったのか
なぜ弥生時代の始まりが600年も改まった?定説改訂の背景
藤尾慎一郎
海底の仕組みと地球のメカニズム(1)海底の生まれるところ
地球上の火山活動の8割を占める「中央海嶺」とは何か
沖野郷子