今求められるリーダー像とは
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
横井小楠、佐久間象山、西郷隆盛…なぜ幕末に人材が育ったか
今求められるリーダー像とは(1)幕末転換期から学ぶ
経営ビジネス
神藏孝之(公益財団法人松下幸之助記念志財団 理事 /松下政経塾塾長代理/テンミニッツ・アカデミー論説主幹)
日本の経済的地位は1990年以降低下し続け、2023年の一人当たり名目GDPは34位に転落している。企業のリーダーや政治家にとって重要なのは、今がどういう時代なのかを知ることであり、そのために幕末の転換期が参考になる。内外の国難に直面した時代、彼らがつくった仕組みと役に立つ人材の育成法とは。(全3話中第1話)
時間:10分01秒
収録日:2024年9月26日
追加日:2024年11月6日
≪全文≫

●今の日本のために「幕末転換期」を参照する


 今は、霞ヶ関にせよ永田町にせよ、点で見ると「いい人」たちがそれなりにいる時代だと思います。幕末の幕府が機能しなくなったときにも、勝海舟、小栗上野介、永井尚志、さらに外交では岩瀬(忠震)のような人がいました。同じようなことですが、総体としては動かない感じの面々です。

 そして、今の自民党や霞ヶ関などを見ていると、全体として、今の日本は幕末の転換点に非常に近いのではないかと。

 幕末の転換点をどこから見るかというと、ペリー来航を中間点だとすると、前期は大塩平八郎の乱に始まり、ペリーがやってくるところまでが転換の前期です。転換の後期については、ペリー来航の頃は「黒船が来た」といって普通の人が騒いでいましたが、井伊大老が暗殺され、永遠に続くかと思われた政権の大老が白昼堂々、水戸の浪士崩れに暗殺されるという事件が起こった。これで、世の中が変わったのではないかということが、実感値として分かってきたのではないか。(それが、1860~1868の)この部分です。

 冒頭に、今は結構、幕末に近いのではないかと。

 これは、「テンミニッツTV」で養田功一郎氏にお話しいただいたときに、「日本銀行金融研究所貨幣博物館資料」からグラフにしていただいたものです。

 1860年を見ていって、その値を1とすると、1865年ぐらいまでに物価は約2倍になります。物価が2倍になる程度だと耐えられるのですが、(幕末には)金銀交換比率を間違ったり、今回(令和)のコロナと似たようなコレラ騒動があったりしました。貿易を開いたときにコレラが大量発生したのです。さらに、安政の地震が2回やってくる。そのようなことが影響したため、物価が1865年から急上昇して、銀ベースで見た物価(オレンジ線)は8倍ぐらいになります。金ベース(灰色線)で見ても4倍ぐらいになってしまう。

 これは、誰が見ても耐えられない。2倍程度なら耐えられても、8倍まで上がると到底無理です。この部分が一つのポイントになっていて、実感値としては「やっていられない」という感じです。

 それと同時に、次に出てくる勝海舟のような(幕府の)人材が考えたのは、今の仕組みの中ではどうにもならない、全部取り替えなければならないということ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
重職心得箇条~管理職は何をなすべきか(1)時代に請われ、時代に応えた佐藤一斎
部下を育てるには、まず佐藤一斎に学べ!
田口佳史
サントリー流「海外M&A」成功術(1)ビーム社買収の裏側
私が直面したビーム社買収の「壁」
新浪剛史
ビジネス・エコノミクス(1)差別価格から学ぶダイナミックプライシング
差別価格の実例でダイナミックプライシングの真髄がわかる
伊藤元重
日本企業の弱点と人材不足の克服へ(1)膠着する日本経済の深層
日本経済の行き詰まりをもたらした2つの大きな理由とは
西山圭太
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治

人気の講義ランキングTOP10
ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(1)動物の配偶と子育てシステム
ヒトは共同保育の動物――生物学からみた子育ての基礎知識
長谷川眞理子
未来を知るための宇宙開発の歴史(7)米ソとは異なる日本の宇宙開発
日本の弾道ミサイル開発禁止!?米ソとは異なる宇宙開拓の道
川口淳一郎
「集権と分権」から考える日本の核心(3)中央集権と六国史の時代の終焉
天平期の天然痘で国民の3割が死亡?…大仏と崩れる律令制
片山杜秀
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
世界は数学と音楽でできている…歴史が物語る密接な関係
中島さち子
モンゴル帝国の世界史(2)チンギス・ハーンのカリスマ性
自由な多民族をモンゴルに統一したチンギス・ハーンの魅力
宮脇淳子
DEIの重要性と企業経営(4)人口統計的DEIと女性活躍推進の効果
日本的雇用慣行の課題…女性比率を高めても業績向上は難しい
山本勲
睡眠から考える健康リスクと社会的時差ボケ(5)シフトワークと健康問題
発がんリスク、心身の不調…シフトワークの悪影響に迫る
西多昌規
「アカデメイア」から考える学びの意義(1)学びを巡る3つの危機
「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機
納富信留
知識創造戦略論~暗黙知から形式知へ(1)イノベーションと価値創造
価値創造において重要なのは未来から現在を見るという視点
遠山亮子
トランプ政権と「一寸先は闇」の国際秩序(3)これからの世界と底線思考の重要性
同盟国よもっと働け…急激に進んでいる「負担のシフト」
佐橋亮