今求められるリーダー像とは
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
松下幸之助の独自性…PEファンドと比べて際立つ猛獣型手法
今求められるリーダー像とは(2)M&Aと経営統合…松下幸之助
神藏孝之(公益財団法人松下幸之助記念志財団 理事 /松下政経塾塾長代理/テンミニッツ・アカデミー論説主幹)
時代の転換期にある今求められるのは猛獣型リーダーで、その典型的な人物が世界に認められた経営者、松下幸之助である。不幸・不運の連続だったその人生の中、なぜ「経営の神様」と呼ばれるようになったのか。彼の人生、その足跡をたどりながら、今こそ学ぶべき真のリーダー像に迫る。(全3話中第2話)
時間:7分54秒
収録日:2024年9月26日
追加日:2024年11月13日
≪全文≫

●逆境の連続だった松下幸之助の人生


 そこで猛獣型リーダーの話ですが、原敬や松下幸之助、今ならばGAFAの人たちがそのような人たちになるでしょう。

 松下幸之助の人生は、ちょうど50歳のときに敗戦を迎えます。

 彼は小学校4年生で丁稚に出されます。大阪の丁稚というのは、それなりに一つの徒弟制度教育かと思っていたら、本人の話によるとそうでもなく、だいたい基本的には田舎の口減らしだといいます。丁稚の中で(仕事を)やっていると、半分ぐらいは途中でいなくなってしまう。そのような環境の中で生き抜くわけです。休みは年に2回くらいしかなく、(幸之助は)両親の死に目にも会えていません。

 その中で彼は創業します。彼が創業したときから満州事変あり、日華事変あり、第二次世界大戦もありで、(そうした中、)大阪ではそこそこ成功した金持ちになります。ところが、国が経営を誤ったために財閥指定になり、陸海軍から「船をつくれ。飛行機をつくれ」といわれるままに使われ、代金は払ってもらえない。結局、国とともに松下電器の戦前の(繁栄)は終わってしまいます。

 1945年、50歳のときです。GHQに間違って戦犯とされ、税金滞納を言い渡されます。もう自殺しようかと思って、戦前の番頭を50人ぐらい集めました。サントリーの鳥井信治郎氏と江崎グリコの(江崎利一)社長にお金を借りて、一夜皆をすき焼き屋に連れて行くと、万年筆や茶碗などを配ります。しかし、死にきれず立ち上げたのがPHPです。


●戦後の松下幸之助とGAFA創業者たちの相似性


 (PHPのスローガンは)「繁栄によって平和と幸福を」というもので、周りは「いよいよこのおっさん、狂ったのか」という感じの反応でした。でも、(彼には)やることがなかった。(GHQの制限により)もう1回、再創業をさせてもらえないので、予言者のようなことを言っていたわけです。「今は焼け野原だけれど、やがて必ず繁栄して、平和と幸福が(手に入る)」――これにより、彼は狂信者扱いされますが、実際には言った通りになります。

 1951年に再創業して、(スライド)ここの写真は『TIME』の写真です。1962年に松下幸之助が『TIME』の...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
会社人生「50代の壁」(1)“9の坂”とまさかの坂
サラリーマン人生「50代の壁」を乗り越える生き方
江上剛
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
バブル世代の現実とこれからの生き方
バブル世代は「バブル崩壊世代」、苦労の先に見えるものがある
江上剛
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治
ハラスメント防止に向けた風土づくり(1)ハラスメントの概要
増え続けるハラスメント…その背景としての職場の特徴
青島未佳

人気の講義ランキングTOP10
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――認知行動療法とポジティブ・ルーティーン
西野精治
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(4)全てをつなぐ密教の世界観
密教の世界観は全宇宙を分割せずに「つないでいく」
鎌田東二
歴史の探り方、活かし方(4)史実・史料分析:秀吉と秀次編〈上〉
史料読解法…豊臣秀吉による秀次粛清の本当の理由とは?
中村彰彦
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(7)不動産暴落と企業倒産の内実
不動産暴落、大企業倒産危機…中国経済の苦境の実態とは?
垂秀夫
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
人生100年時代の「ライフシフト概論」(3)キャリアの危機〈下〉
40代前半に訪れる「中年の危機」、鍵は「人生の成長戦略」
徳岡晃一郎
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏