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レアメタルの重要な課題は「廃棄物処理」と「リサイクル」

レアメタルとは何か~レアメタルをめぐる主要課題

岡部徹
東京大学生産技術研究所教授
概要・テキスト
レアメタル研究の第一人者である東京大学生産技術研究所教授・岡部徹氏に、レアメタルを中心に、日本の資源戦略の問題についてインタビューを行った。レアメタルの重要性と可能性、そして人類にとって避けては通れない資源活用の「光と影」について考える。(インタビュアー:大上二三雄氏/エム・アイ・コンサルティンググループ株式会社代表取締役)
時間:14:21
収録日:2014/12/11
追加日:2015/04/20
≪全文≫

●レアメタルの多くは、資源的には「レア」ではない


大上 今日は、レアメタルの研究で大変著名な岡部徹先生をお招きしました。岡部先生は、東京大学工学部の教授であり、東京大学生産技術研究所サステイナブル材料国際研究センター長をはじめ、総長補佐まで含めると(大学内だけでも)六つの肩書をお持ちで、研究、社会活動、そして東京大学の運営などに大活躍をされています。また、産学官の連携が強いレアメタル分野において非常に少数のインナーサークルがあるのですが、岡部先生はその国際的な、いわば「レアメタルマフィア」ともいうべきネットワークの一員でもいらっしゃいます。

 そういった観点から、今日はレアメタルを中心に、日本の資源戦略の問題を語っていただきたいと思っています。よろしくお願いします。

岡部 よろしくお願いします。

大上 それでは最初に、そもそもレアメタルとは何なのか。よく岡部先生は、「レアメタルは実は全然レアではない」という話をされますが、そこからお聞かせいただきたいと思います。

岡部 レアメタルと言うと、レアな希少金属であり、資源的に少ないと思っている人たちが多いのですが、そういったレアメタルもありますが、多くのレアメタルは資源的にレアではなく、全く問題はありません。

 まず、レアメタルの定義は、資源的に少ない、または、金属をつくるのが難しい、あるいは、資源的に散らばっていて集めてくるのが難しい、などです。資源的に少ない典型的なレアメタルは白金族金属で、プラチナ(白金)がその代表格です。逆に、レアメタルと呼ばれていても資源的に多いものの代表格は、チタンです。チタンは、資源的には(全元素の中で)9番目に多い元素なので、銅や鉛などのベースメタルに比べても格段に資源量が多いのです。ただ、資源量が多くても(鉱石を製錬して)メタルにすることが難しいのが(チタンなどの)レアメタルなのです。

 レアアースも、レアメタルのグループで、希土類と言われていて、(高性能)磁石などに使われている元素です。これも資源的にレアだと思っている人は多いのですが、地上にあるその資源を掘り続け、使い続けても、あと何百年もあるのがレアアースです。実際、レアアースの多くは全くレアではありません。むしろ、需要や用途がレアなのです。


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