レアメタルは本当に体に良いのか?
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
チタン、ゲルマニウム…レアメタルは体に良いのか?
レアメタルは本当に体に良いのか?
岡部徹(東京大学生産技術研究所教授)
水、食品、美容・健康器具やスポーツ用品でレアメタルの名を付した商品が数多く市場に出回っている。果たしてレアメタルは本当に体に良いのか? 何を基準に「良い」商品と判断すべきなのか? 東京大学生産技術研究所教授・岡部徹氏に真相をただすべく切り込んでいく。(インタビュアー:大上二三雄氏/エム・アイ・コンサルティンググループ株式会社代表取締役)
時間:6分03秒
収録日:2014年12月25日
追加日:2015年6月29日
≪全文≫

●「ウケ」がいいレアメタル


大上 最近、よく食品とか健康、そういった関連でレアメタルの名前を聞くことが多いのですが。

岡部 レアメタルというと非常に良いイメージがあるので、健康食品や美顔、スポーツ用品などいろいろなものに使われています。恐らく、多く使われるレアメタルの中で良いイメージがあるのは、プラチナですね。あとはチタン、ゲルマニウム、そしてバナジウム。この辺のレアメタルは、一般には“非常にウケがいいレアメタル”のように思いますね。


●実証しづらいレアメタルの効能


大上 レアメタルは本当に体に良いのですか?

岡部 いえ。私は、レアメタルが体に本当に良いとは、考えたことがないですね。また、レアメタルを日々使っていますが、体に良いと感じたことはないのです。

大上 きれいになるのですかね?

岡部 いや。例えば美顔グッズでは、「美顔ローラー」や「なんとかスチーマー」など、いろいろなものが売られています。もちろん、ローラーは物理的な刺激を与えることによってきれいになるでしょうし、スチーマーは寝る前につけておけば保湿がされるので、そういった意味では確実にきれいになるでしょう。ただ、そこでうたわれているレアメタルの効能といったものに関しては、私はどこまで正しいのかと思っています。

 例えば、いろいろな天然水が売られていまして、それにもさまざまなレアメタルを含んでいるという効能をうたっているものがありますが、私から見たら、濃度的に薄すぎるので、その実態や効能をどうやって(科学的に)検証するのだ、ということになります。つまり、スチーマーから出てくるレアメタルのイオンをどうやって検出するのか、しかも、その効能をどうやって実証するのか、ということですね。


●レアメタル商品の付加価値をどう捉えるかは購入者次第


 ただ、逆に言うと、薄いというのは非常に良いことでして、害も及ぼさない。これは非常に良いですね。

 しかし、難しいのは、そういった美顔グッズ、健康グッズ、スポーツ用品は、害を及ぼさないながらも、レアメタルの効能をうたって高付加価値化して高値で売っている。これは、いわゆる素人の購入者の誤解を利用しているところがあるわけで、この辺をどう考えるか、ですね。

大上 買った人はそれで幸せを感じれば、きれいになったと思えば、本当にきれいになるかもしれませんしね...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
知能と進化(1)知性と身体性
AI、ディープラーニングとは…知能と身体性は不可分か?
長谷川眞理子
Beyond5G・6Gで進む情報通信の民主化(1)情報通信の民主化と「協創」
6Gの研究開発を推進する情報通信の民主化
中尾彰宏
火山の仕組みを知る(1)火山の世界的分布と噴火の仕組み
火山噴火が起こるメカニズムと日本の火山の特徴
藤井敏嗣
発酵はマジックだ!
色を消し、脂を溶かし、水を分解―スゴすぎる発酵の力!
小泉武夫
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(27)昭和の名将・根本博
【10min解説】根本博…戦後の内蒙古での激闘と台湾での義戦
テンミニッツ・アカデミー編集部
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(5)1人の力で歴史を変えた男たち
大義にもとづく「個人の決断と行動」が歴史を動かす…名将の教訓
門田隆将
昭和の名将・根本博…内蒙古・終戦後の戦い(1)軍人の本義を貫いた根本博中将
ソ連軍から在留日本人4万人を守れ…内蒙古での「戦後」の激闘
門田隆将
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(3)祖先崇拝の5つの特徴
夢魔の重圧?…なぜ「バチあたりの人間」が村八分になるのか
賴住光子
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦