スマートフォンを活用した近未来の医療改革
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
高血圧+肥満+わがまま+糖尿病=HONDAさんは要注意!
スマートフォンを活用した近未来の医療改革
堀江重郎(順天堂大学大学院医学研究科 泌尿器科学 主任教授)
健康で長生きは、みんなの願い。国民の3人に1人が60歳以上という超高齢化の波を受け、「治療から予防へ」の医療が浸透している。今後、スマホでヘルスケア、SNSで健康増進はどこまでできるのか。NHK Eテレ『きょうの健康』にもご出演の専門医、順天堂大学大学院医学研究科教授・堀江重郎氏にビジョンをおうかがいする。
時間:14分42秒
収録日:2015年2月18日
追加日:2015年6月8日
≪全文≫

●「超高齢」日本の医療費は、今後どうなる


 皆さん、こんにちは。順天堂大学医学部の堀江重郎と申します。

 今日は「ヘルスケア2.0」といったかたちで、新しい健康管理や医療の方向性について考えてみたいと思います。

 皆さんご存じのように、日本はすでに世界で最も長寿国、言い換えれば最も老化の進んだ国として、超高齢化が進行中です。今の時点で国民の3分の1は60歳以上ですが、あと10年から15年経つと人口の4分の1は75歳という大変な時代に突入していきます。同時に医療費の方も、現在のGDPをそのまま医療費に持っていっても足りない事態になってきます。

 日本の医療費自体は、GDPの10パーセントにはまだ到達していないので、OECD(経済協力開発機構)加盟の他の国々に比べると、かなり努力はしています。その多くの部分は、医療従事者の犠牲に支えられている面もありますし、個々のマネジメントは非常にうまくいっています。しかし、医療コスト全体で考えると、やはり総額としては相当大きいものになっていきます。


●医療の進歩に伴い、治療モデルが多様化


 病気や医療に対する従来の考え方は、調子の悪くなったところを治してもらう「ブロークン・アンド・フィックス・モデル」で、これがずっと中心でした。一番大きいものは救急医療だと思いますが、けがをしたから治す、あるいは脳出血に対する緊急治療をする、というようなモデルです。

 しかし、医療の進歩した現在では、やや「おせっかいな医療」とも言える新しい医療モデルが広がっています。血圧や高コレステロール、糖尿病などで、より重篤な病気に対するさまざまなリスクが分かってきたために、早期治療が展開されているのです。

 医療がどうしても必要なケースは、例えば心臓が止まった場合などですが、何が何でももう一度動かすようにしないと、当然死に至ります。しかし、血圧が少し高めだったり、早期のがんが発見された場合は違います。早期がんは、直ちに生死に関わるものではありません。しかし、治療に入るとなると、それに伴って何らかの副作用や合併症が起こるかもしれません。そこで、いろいろな話し合いが必要になってくる。それが、今「インフォームド・コンセント」と呼ばれているものです。

 インフォームド・コンセントとは、患者さんあるいはご家族と医療者との間で十分に契約を確認...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「健康と医療」でまず見るべき講義シリーズ
生活習慣病予防に~健診結果の正しい読み方(1)データから生活習慣を考える
内臓脂肪がなぜ増えた?データから考えるリスクファクター
野口緑
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
野口緑
睡眠:体、脳、こころの接点(1)睡眠とは?
なぜ睡眠は生きるために必要?脳にある覚醒中枢と睡眠中枢
尾崎紀夫
うつ病治療最前線(1)うつ病の身体症状と治療の実際
隠れたうつ病を確定診断するポイントとは
渡部芳德
アンチエイジングのための「5:2ダイエット」
「5:2ダイエット」活性酸素を減らしてアンチエイジング
堀江重郎
オートファジー入門~細胞内のリサイクル~(1)細胞と細胞内の入れ替え
ノーベル賞受賞「オートファジー」とは?その仕組みに迫る
水島昇

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(9)「トランプ大統領」の視点・論点
【テンミニッツで考える】「トランプ大統領」をどう見るか?
テンミニッツ・アカデミー編集部
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(7)若者の引きこもりと日本の教育問題
日本の引きこもりの深い根源…「核家族」構造の問題とは?
與那覇潤
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(2)ノイズと半身社会の処方箋
ノイズを楽しむ――半身社会の「読書と教養のすすめ」
三宅香帆
「同盟の真髄」と日米関係の行方(7)トランプ氏の評価とその実像
こりごり?アイ・ラブ・トランプ?…トランプ陣営の実状は
杉山晋輔
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(1)定年制は要らない
仕事をするのに「年齢」は関係ない…不幸を招く定年型思考
出口治明
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(7)日本の倫理こそ未来の理想
他人の幸福実現に喜びを見出す日本の道徳こそ未来の理想だ
賴住光子
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留
新撰組と幕末日本の「真実」(6)新撰組結成と清河八郎、芹沢鴨
清河八郎と芹沢鴨…乱闘事件や大和屋焼討事件の真相とは?
堀口茉純