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熟年離婚のわけTOP10
熟年離婚する夫婦が増えています。一般的に熟年離婚とは、結婚後20年以上を経過している夫婦や、50代以上の夫婦における離婚を指すようです。朝日新聞によると2022年は離婚数全体の件数は減少傾向にあり、ピークだった2002年比で4割減となっています。この一方で熟年離婚の割合は23.5%に上り、1947年以降で過去最高とのこと。
また離婚する年代に関して政府の統計資料(人口動態調査 人口動態統計 確定数 離婚)から令和5年(2023年)のデータを見ると、最も離婚が多かった年代は、夫が「35~39歳」で19,051件、妻は「30~34歳」で21,124件です。これに対して「45~49歳」では夫・妻ともに減少する傾向があり、逆に50歳以降では全般的に夫・妻共に離婚は増加しています。つまり40代よりも50代を過ぎてから離婚する夫婦が多いことがわかります。では、なぜ熟年離婚が増えているのでしょうか。
1.性格の不一致
2.精神的虐待(モラハラ・威圧的態度・束縛)
3.相手の親族(義父母ら)との関係
4.妻の自立(妻の収入の増加、年金分割制度)
5.相手の不倫
6.長い時間一緒にいることの苦痛
7.以前から別れたかった
8.子供の自立
9.定年退職
10.生活費を渡さない
神戸新聞が2024年に行った調査(結婚20年を超える314人が対象、LINEによるアンケート)によると、離婚したいと思ったことがある人は59.9%に上っています。その理由(複数回答)でもっとも多かったのは「性格・価値観の不一致」で58.5%です。次いで「モラルハラスメント(暴言・威圧的な態度・束縛など)」と「相手の家族との関係(義父母など)」が同じ23.9%となっています。
4番目に挙げた妻の自立(妻の収入の増加、年金分割制度)は、女性の労働人口が増加していることと関連します。厚生労働省「令和5年の働く女性の状況」によると、労働力人口総数に対する女性の労働力人口は1985年(昭和60年)の39.7%からほぼ右肩上がりに伸び、2023年では45.1%です。この10年で約300万人超増えています。また年金分割制度により、夫が納付した厚生年金保険料の記録を専業主婦の妻が分割してもらえるようなりました。こうして妻が経済的に自立できる状況が進んでいます。
ともあれ、現代を生きる私たちの一生は、以前よりもたいへん長くなっています。2023年の平均寿命は男性が81.09歳、女性が87.14歳です。これは前年よりも男性は0.04年、女性は0.05年上回っています。平均寿命は右肩上がりに伸び続けています。50代で子供が独立しても60代で仕事をリタイアしても、人生はまだまだ続きます。第二の人生に対する意識といったものも、熟年離婚が増加する背景に見えてきます。
また離婚する年代に関して政府の統計資料(人口動態調査 人口動態統計 確定数 離婚)から令和5年(2023年)のデータを見ると、最も離婚が多かった年代は、夫が「35~39歳」で19,051件、妻は「30~34歳」で21,124件です。これに対して「45~49歳」では夫・妻ともに減少する傾向があり、逆に50歳以降では全般的に夫・妻共に離婚は増加しています。つまり40代よりも50代を過ぎてから離婚する夫婦が多いことがわかります。では、なぜ熟年離婚が増えているのでしょうか。
熟年離婚の理由TOP10
熟年離婚に絞った離婚理由の統計はなさそうなので、ここでは一部の調査を元に熟年離婚の理由について推測します。ということで、以下のランキングは全体の状況を表す正確なデータに基づいているわけではない点にご留意ください。また、実際には離婚したいと思う理由は夫と妻で異なる場合が多かったり、複数の要因が因果関係になっていたりする場合も多いとは思われます。1.性格の不一致
2.精神的虐待(モラハラ・威圧的態度・束縛)
3.相手の親族(義父母ら)との関係
4.妻の自立(妻の収入の増加、年金分割制度)
5.相手の不倫
6.長い時間一緒にいることの苦痛
7.以前から別れたかった
8.子供の自立
9.定年退職
10.生活費を渡さない
神戸新聞が2024年に行った調査(結婚20年を超える314人が対象、LINEによるアンケート)によると、離婚したいと思ったことがある人は59.9%に上っています。その理由(複数回答)でもっとも多かったのは「性格・価値観の不一致」で58.5%です。次いで「モラルハラスメント(暴言・威圧的な態度・束縛など)」と「相手の家族との関係(義父母など)」が同じ23.9%となっています。
「精神的虐待(モラハラ)」「性格の不一致」「妻の自立」も大きい要素
また、法律事務所で相談が多いのは「精神的虐待」「性格の不一致」「不倫」といったもので、特に妻側からの相談が多いとのこと。「精神的虐待」は日頃からの妻への過干渉や暴言といったものが挙げられます。「性格の不一致」の事例としては、退職後や子供の独立後、夫は家でゆっくり過ごしたいと考えているのに対して、妻は外出や趣味を楽しみたいと考えているということなどがあるようです。4番目に挙げた妻の自立(妻の収入の増加、年金分割制度)は、女性の労働人口が増加していることと関連します。厚生労働省「令和5年の働く女性の状況」によると、労働力人口総数に対する女性の労働力人口は1985年(昭和60年)の39.7%からほぼ右肩上がりに伸び、2023年では45.1%です。この10年で約300万人超増えています。また年金分割制度により、夫が納付した厚生年金保険料の記録を専業主婦の妻が分割してもらえるようなりました。こうして妻が経済的に自立できる状況が進んでいます。
第二の人生という視点
過去の日本社会では、女性が専業主婦として家事や子育てを担ってきました。現在では妻も仕事をすることが一般的になり、さらに離婚した専業主婦に関しても年金が手厚くなりました。こういった社会状況の変化に対して夫の意識が古いままであることで、妻の意識とズレが生じています。ともあれ、現代を生きる私たちの一生は、以前よりもたいへん長くなっています。2023年の平均寿命は男性が81.09歳、女性が87.14歳です。これは前年よりも男性は0.04年、女性は0.05年上回っています。平均寿命は右肩上がりに伸び続けています。50代で子供が独立しても60代で仕事をリタイアしても、人生はまだまだ続きます。第二の人生に対する意識といったものも、熟年離婚が増加する背景に見えてきます。
<参考サイト>
・人口動態調査 人口動態統計 確定数 離婚|e-Stat 統計で見る日本
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003411865
・令和5年簡易生命表の概況|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life23/index.html
・「熟年離婚」の割合が過去最高に 長寿社会、役職定年も背景に|朝日新聞
https://digital.asahi.com/articles/ASS8D2ST2S8DULZU001M.html
・熟年離婚の原因8選|メリットデメリット・後悔しない準備なども解説|ベンナビ離婚
https://ricon-pro.com/columns/90/
・人口動態調査 人口動態統計 確定数 離婚|e-Stat 統計で見る日本
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003411865
・令和5年簡易生命表の概況|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life23/index.html
・「熟年離婚」の割合が過去最高に 長寿社会、役職定年も背景に|朝日新聞
https://digital.asahi.com/articles/ASS8D2ST2S8DULZU001M.html
・熟年離婚の原因8選|メリットデメリット・後悔しない準備なども解説|ベンナビ離婚
https://ricon-pro.com/columns/90/
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