未活用資源の潜在的可能性
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
日本の未活用資源の可能性―健康と女性
未活用資源の潜在的可能性(1)健康づくりと健康産業、女性の能力活用
政治と経済
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
日本の未活用資源の潜在的可能性の一つは健康づくりと健康産業にあり、超高齢化社会における社会保障制度の抜本的解決のためにも、この可能性追求は必須である。では、どのような観点からこれを追求し、産業需要を喚起すべきなのか。同じく潜在的可能性が見出せる女性の能力活用における対処すべき課題も合わせ、島田晴雄氏がその詳細に迫る。(島田塾第109回勉強会 島田晴雄氏講演『日本経済は果たして、どこまで成長出来るのか』より:全14話中12話)
時間:7分06秒
収録日:2014年1月14日
追加日:2014年3月27日
≪全文≫

●高齢化の社会的費用膨張の恐怖


 未活用資源の潜在的可能性というのがあります。健康づくりと健康産業がそれです。今、このようになっています。高齢者65歳以上の人口比は24パーセント。これで税金と社会保障の国民負担率は40パーセントです。今から37年すると老人の人口比率は40パーセントに近づきます。大和総研の推定だと、その時、今の社会保障制度を平行移動すると国民負担率は73パーセントとあります。500万円の所得の人が手取り130万円になってしまうということで、これでは駄目ですよね。おそらく負担率を5割くらいまで落とそうということになります。

 では、その5割をどこに下すかというと、下した23パーセントは全部、次の世代が負担することになる。これでは暮らせません。「この国は子どもと孫を殺すのか」ということです。しかし、そういう構造になっているわけで、ひどい状況なのです。


●社会保障の抜本的見直しが必要


 清家(篤)先生という私の一番弟子が、社会保障改革制度国民会議議長として、こうした問題を一気に引き受けて、島田塾で話してくださったこととして、報告書にはこう書いてあります。

 「これまでの社会保障は年金・医療・介護だった。しかしそういう時代ではない。これからは雇用機会の提供、子育て支援、格差対応をしなければならない」

 皆、正論です。今の日本の保険制度で一番危ないのが国民保険なのです。要するに所得があるのかないのか分からない人が、日本には1,000万人ほどもいるのです。これを放置して他の保険で埋めていると全部つぶれてしまうでしょう。

 ということで、「それをやりましょう。トータルで考えないといけない」と、言うのはいいのですが、一番具体的な解決策は何かと言うと、「高所得の人からは応分の負担を求めましょう」ということになります。要するに、島田塾にいるような人を狙い撃ちするわけです。これまた、つけ回しで抜本的解決にはなっていません。


●鍵は「楽しくできる健康づくり」にあり


 やはり、医療の中身、介護の中身を変えないといけないわけで、その部分は清家先生の報告書にも少し入っています。しかし、本丸は健康づくりなのです。健康はどうしたらつくれるか、と言えば、この真理は明快です。

 健康は4要素。食と運動と禁煙と睡眠。それだけです。この4つを守れば、人間は健康になります。分かりきっている...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
政治学講座~選挙をどう見るべきか(1)選挙の意味
選挙と政治権力…「選挙に勝つ」とはどういうことか?
曽根泰教
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾
アンチ・グローバリズムの行方を読む(1)世界情勢の転換
強まるアンチ・グローバリズムの動きをどう見ればいいか
岡本行夫
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
マルクス入門と資本主義の未来(1)マルクスとはどんな人物なのか
マルクスを理解するための4つの重要ポイント
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
「アカデメイア」から考える学びの意義(4)学びの3つのキーワード
より良い人生への学び…開かれた知、批判の精神、学ぶ主体
納富信留
ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(1)動物の配偶と子育てシステム
ヒトは共同保育の動物――生物学からみた子育ての基礎知識
長谷川眞理子
未来を知るための宇宙開発の歴史(7)米ソとは異なる日本の宇宙開発
日本の弾道ミサイル開発禁止!?米ソとは異なる宇宙開拓の道
川口淳一郎
「集権と分権」から考える日本の核心(1)日本の国家モデルと公の概念
日本は集権的か分権的か…地理と歴史が作る人間の性質とは
片山杜秀
編集部ラジオ2025(19)堀口茉純先生の「講義録」発刊!
著者が語る!『『江戸名所図会』と浮世絵で歩く東京』
テンミニッツ・アカデミー編集部
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
世界は音楽と数学であふれている…歴史が物語る密接な関係
中島さち子
モンゴル帝国の世界史(2)チンギス・ハーンのカリスマ性
自由な多民族をモンゴルに統一したチンギス・ハーンの魅力
宮脇淳子
定年後の人生を設計する(1)定年後の不安と「黄金の15年」
不安な定年後を人生の「黄金の15年」に変えるポイント
楠木新
知識創造戦略論~暗黙知から形式知へ(1)イノベーションと価値創造
価値創造において重要なのは未来から現在を見るという視点
遠山亮子
日本のエネルギー政策大転換は可能か?(1)原発最大限活用の根拠と可能性
第7次エネルギー基本計画とは?原発活用方針の是非を問う
鈴木達治郎