欧米の金融資本主義に対する警鐘
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
バブルは過去6度あった―愚かな人間は歴史は繰り返す
欧米の金融資本主義に対する警鐘
大竹美喜(アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社)日本支社創立者)
日本には世界に誇る長寿企業が多数ある。日本に伝統的に生き続ける「三方よし」「利益よりも継続」の思想をもとに公益資本主義実践についてアフラック日本法人創業者 大竹美喜が語る。
時間:9分56秒
収録日:2013年10月28日
追加日:2014年2月24日
カテゴリー:

●望まれる資本主義の姿-価値創造型資本主義


 皆さんこんにちは、アフラックの大竹でございます。今日から、私の親友である神藏様のお手伝いができればと思い、出演させていただきました。今回ドコモ社とご一緒に最先端の教育を開始されるとうかがい大変嬉しく存じておる次第であります。

 私としましては、この最先端の取り組みに参加できることは光栄ですが、私はビジネスマンとしての立場で、(マス)メディアでは皆さんが聞くことができないような内容のお話をさせていただければと思います。

 50年間にわたって米国の金融機関で働いてきたわけでございますけれど、私がいま金融機関に対するあり方について非常に懐疑的に感じている点をまず真っ先に申し上げたいと思います。

 ご存知のとおり、現在は「金融資本主義」と呼ばれるような時代ですが、これでいいのかと考えたときに、私は決してそうではないと思えてなりません。では、どういう資本主義を望んでいるのかと言いますと、「価値創造型資本主義」、これは「公益資本主義」とも言われていますが、こういったものを私は提言しているわけでございます。社会的な価値創造-これが一番大切なものではないかと思っております。


●重要なのは「歴史から学ぶ」ということ


 早いもので、リーマンショックから5年が経過しましたけれども、「100年に一度の金融危機」とFRBのグリーンスパン議長は言いましたが、私はこの言葉に対して怒りを感じておりまして、これは責任逃れの言葉としか受け取れない。本当に責任転嫁だと思っております。この金融危機は、米国のみならず全世界に多大な被害を及ぼしたことは皆さんもよくご存知だと思いますが、私企業の経営の失敗が全世界に迷惑をかけた、被害を及ぼしたということですね。「Inside Job」というドキュメンタリー映画があることは皆さんもよくご存知だと思いますが、このことを多くの方々が知ったと思います。

 リーマンショックは「100年に一度」と言われましたが、歴史をひも解いてみますと、ニューヨーク大学の名誉教授 佐藤隆三さんは、2008年のサブプライムローンに端を発したバブルを含めまして、「バブルはこれまで過去6回あった」と申されています。

 人間はおろかな動物で「歴史は繰り返す」と言いますが、人類は同じ歴史を繰り返しているということがご理解いただけるのではないでしょうか。ですから「...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
億万長者への道(1)お米屋さんから不動産業界へ
「背広を着てビジネスがしたい」との思いから宅建取得
高橋誠一
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
運と歴史~人は運で決まるか(1)ソクラテスが見舞われた「運」
歴史における「運」とは?ソクラテスの「運」から考える
山内昌之
バブル世代の現実とこれからの生き方
バブル世代は「バブル崩壊世代」、苦労の先に見えるものがある
江上剛

人気の講義ランキングTOP10
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』、秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
平和の追求~哲学者たちの構想(4)ルソーが考える平和と自由
ルソーの「コスモポリタニズム批判」…分権的連邦国家構想
川出良枝
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(4)葛飾応為の芸術と人生
親娘で進歩させた芸術…葛飾応為の絵の特徴と北斎との比較
堀口茉純
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(2)バイアスの正体と情報の抑制
『100万回死んだねこ』って…!?記憶の限界とバイアスの役割
今井むつみ
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
熟睡できる環境・習慣とは(4)起きているときを充実させるために
夜まとめて寝なくてもいい!?「分割睡眠」という方法とは
西野精治
編集部ラジオ2025(31)絵で語る葛飾北斎と応為
葛飾北斎と応為の見事な「画狂人生」を絵と解説で辿る
テンミニッツ・アカデミー編集部
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子