安倍政権は「従軍慰安婦問題」をどう扱うべきか
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
外交的サブジェクトとして決して取り上げてはいけない
安倍政権は「従軍慰安婦問題」をどう扱うべきか
岡崎久彦(外交評論家)
安倍政権は安定感を増し、国際社会における日本への期待値も上がりつつある。この状況下、日本は従軍慰安婦問題をどのように取り扱うべきなのか? 岡崎久彦氏が提言する。
時間:12分43秒
収録日:2014年3月26日
追加日:2014年4月17日
カテゴリー:
≪全文≫

●ひとまず成功といえる日米韓首脳会談


-------------------------------------------------------------------------------
<参考:オランダ・ハーグでの日米韓首脳会談>
 2014年3月25日、安倍晋三首相、オバマ米国大統領、朴槿恵韓国大統領は、オランダ・ハーグの米大使公邸で日米韓首脳会談を行った。話し合いでは、北朝鮮の核・ミサイル開発問題に対して日米韓が緊密に連携していくことを確認したのみで、日韓が対立する慰安婦問題などの歴史認識問題は取り上げられなかった。会談は、アジアの同盟国である日韓の関係悪化を懸念するオバマ大統領が仲介する形で実現した。安倍首相と朴大統領の正式会談は初めて。
-------------------------------------------------------------------------------

岡崎 日米韓首脳会談の次の成功は、4月にオバマ大統領が来日した時に、アメリカ側が歴史問題を全く問題にしないことにかかっています。これが大事です。これは多分問題にしません。それから、今度オバマ大統領が韓国に行くのですが、それで韓国が歴史問題を出さなければ100パーセントの成功です。出した場合は、成功か失敗かはオバマ大統領の応答ぶりで決まります。もちろん、日本はできる限り「失敗」といった結果にならないように働きかけます。ですから、今回はこれで済むはずです。

 その後、ドイツが何を言おうとそれは構いません。メルケル首相は東ドイツ出身で、それで今でも原発全廃と言っている人ですから、メルケル首相とやり合ってもそんなに損害はないのです。ですから、これで今回の首脳会談は成功です。

―― なるほど。でもよかったですね。

岡崎 ええ。次のオバマ大統領訪日、訪韓の時に、今度はアメリカが余計なことを言わなければいいのです。今度の首脳会談のことで、もういいだろうということになっていればアメリカも何も言わないわけですから。ですから、その状態までに行くかどうかですね。

―― これで今回の安倍・朴槿恵会談は成功ですね。


●谷内正太郎という存在


岡崎 その前には国会で、安倍総理は「河野談話の修正はしない」ということを宣言しています。あれについて、私は何も背景は聞いていませんけれども、当然、内閣官房国家安全保障局長である谷内正太郎を通じて、アメリカのスーザン・ライス大統領補佐官との間に緊密なる連携があったのでしょうね。
...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
緊急提言・社会保障改革(1)国民負担の軽減は実現するか
国民医療費の膨張と現役世代の巨額の「負担」
猪瀬直樹
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
岡本浩
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司

人気の講義ランキングTOP10
内側から見たアメリカと日本(6)日本企業の敗因は二つのオウンゴール
日本企業が世界のビジネスに乗り遅れた要因はオウンゴール
島田晴雄
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――認知行動療法とポジティブ・ルーティーン
西野精治
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(7)不動産暴落と企業倒産の内実
不動産暴落、大企業倒産危機…中国経済の苦境の実態とは?
垂秀夫
日本の財政と金融問題の現状(1)財政赤字の何が問題か
日本の財政は本当に悪いのか?将来世代と金利の問題に迫る
木下康司
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
戦史に見る意思決定プロセス~日本海軍の決断(1)日本海海戦・東郷平八郎
なぜ東郷平八郎はバルチック艦隊を対馬で迎え撃ったのか?
山下万喜