●ひとまず成功といえる日米韓首脳会談
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<参考:オランダ・ハーグでの日米韓首脳会談>
2014年3月25日、安倍晋三首相、オバマ米国大統領、朴槿恵韓国大統領は、オランダ・ハーグの米大使公邸で日米韓首脳会談を行った。話し合いでは、北朝鮮の核・ミサイル開発問題に対して日米韓が緊密に連携していくことを確認したのみで、日韓が対立する慰安婦問題などの歴史認識問題は取り上げられなかった。会談は、アジアの同盟国である日韓の関係悪化を懸念するオバマ大統領が仲介する形で実現した。安倍首相と朴大統領の正式会談は初めて。
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岡崎 日米韓首脳会談の次の成功は、4月にオバマ大統領が来日した時に、アメリカ側が歴史問題を全く問題にしないことにかかっています。これが大事です。これは多分問題にしません。それから、今度オバマ大統領が韓国に行くのですが、それで韓国が歴史問題を出さなければ100パーセントの成功です。出した場合は、成功か失敗かはオバマ大統領の応答ぶりで決まります。もちろん、日本はできる限り「失敗」といった結果にならないように働きかけます。ですから、今回はこれで済むはずです。
その後、ドイツが何を言おうとそれは構いません。メルケル首相は東ドイツ出身で、それで今でも原発全廃と言っている人ですから、メルケル首相とやり合ってもそんなに損害はないのです。ですから、これで今回の首脳会談は成功です。
―― なるほど。でもよかったですね。
岡崎 ええ。次のオバマ大統領訪日、訪韓の時に、今度はアメリカが余計なことを言わなければいいのです。今度の首脳会談のことで、もういいだろうということになっていればアメリカも何も言わないわけですから。ですから、その状態までに行くかどうかですね。
―― これで今回の安倍・朴槿恵会談は成功ですね。
●谷内正太郎という存在
岡崎 その前には国会で、安倍総理は「河野談話の修正はしない」ということを宣言しています。あれについて、私は何も背景は聞いていませんけれども、当然、内閣官房国家安全保障局長である谷内正太郎を通じて、アメリカのスーザン・ライス大統領補佐官との間に緊密なる連携があったのでしょうね。
―― そういう連携は、谷内さんしかできないですよね。
岡崎 そうだろうと思います。これは僕の想像で、谷内さんから話を聞いたわけではありませんが。と言うより、常識で考えてそうですから。谷内さんという人は、常識で考えて、これがどう考えてもいいということをちゃんとする人ですよ。
―― なるほど、そういうことなのですね。でも、そういう人が日本版NSCの初代局長としていてくれるというのは、安定感がありますね。安定感抜群ですね。
岡崎 抜群ですね。谷内局長という人は、それこそ世間体とか、金とか名誉とかが、何も判断に入ってないですね。出世も入っていないですし。出世という点では、外務事務次官まで行った人です。
次官になって、普通は次官の後は全部、駐米大使になるのですが、彼は断っているのです。どうしてかというと、外務省はもう何十人も大使がいて、皆、居心地がいいですから、1日も長く大使をしたいのです。しかし、下の方の人は早く大使になりたい。ですから、大使をクビにするときは必ず本人が嫌だと言うのをクビにしなければいけないのです。「もう半年置いてくれ」とか、「もう一息」とか、そう言ってくるのを全部クビにしなければいけない。それを次官の間、全部やってきたのだから、今度は自分が大使にはなれないと、そういう理由で断ったという話です。
―― なるほど。谷内さんは次官のときに、逆に先輩の大使を皆、切ってきたわけですね。
岡崎 そういうきれいな人です。こういう人がいれば、これで安倍政権が3年続いても、5年続いても大丈夫です。
―― NSCの局長は、安倍政権が続く限り谷内さんということでしょうか。
岡崎 それは変えようがないでしょう。
●日本の期待値を背負う安倍政権
―― 一番望ましいですよね。安倍政権はすごく巻き返しましたね。
岡崎 とにかく、何と言うか、安倍内閣が出てきてからいろいろなことの雰囲気が変わりましたよね。何でもない新聞やテレビなどを毎日見ていても、日本をこれからよくしようとか、日本はもっと自信を持っている立派な国だとか、そんな話がやたら多いですね。
―― 期待値を上げる話がすごく多いですね。
岡崎 そうでしょう。でも、それは、鳩山、菅内閣の頃はなかったのです。経済についても、これは非常に単純に言ってしまうと、経済で何をもって保守派と左翼を区別するかと言うと、決まったパ...