都知事選を総括するー小池氏圧勝の理由と東京都への提言
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「小池劇場」で選挙戦をリードした新都知事の勝負上手
都知事選を総括するー小池氏圧勝の理由と東京都への提言
曽根泰教(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
政治学者で慶応義塾大学大学院教授・曽根泰教氏による東京都知事選の総括。なぜ小池百合子氏は圧勝することができたのか。そして小池新都知事は今後、都政および東京問題にいかに向かっていくべきなのか。東京都という巨大都市ならではの特質と課題を踏まえ、圧倒的な権力を有する東京都知事の本質を考える、東京都の現在と未来のための政治学レクチャー。
時間:16分24秒
収録日:2016年8月2日
追加日:2016年8月5日
≪全文≫

●小池氏圧勝の理由-「女性だから」とは関係ない


 東京都知事選挙の結果を踏まえ、これをどのように理解したらいいのかというお話をします。

 結果は、小池百合子さんが2位と110万票以上の大差を付けて、増田寛也さん、あるいは鳥越俊太郎さんに勝ったということです。事前の予測で、小池さんは勝つだろうと言われていました。しかし、こんなに圧勝するところまではなかなか予測ができていませんでした。その理由は何かというお話が一つあります。また、前回10MTVで「東京問題」ということを申し上げました(7月15日配信開始)。それを小池さんは解決できるのだろうか。この話もします。

 確かに、東京で女性初の知事ということが注目されていますが、最近の世界の政治家を見ると、大統領、首相、市長などで女性は大変多いわけです。ドイツのアンゲラ・メルケル首相、また、今度選ばれたイギリスのテリーザ・メイ首相、アメリカ民主党の大統領候補であるヒラリー・クリントン氏、韓国の朴槿恵大統領、台湾の蔡英文総統、あるいは、最近(今年6月)ローマ市長に選ばれたビルジニア・ラッジ氏など、政治の世界で女性ということが今では必ずしもそう珍しいことではないし、「初めて」という言い方も、「そうかな」という程度のものです。ですから、女性であるから小池百合子さんが勝った、ということではないだろうと思います。


●素早さと勝負上手の小池候補が選挙戦をリード


 そうして考えてみますと、選挙戦術上、この都知事選全体は、「小泉劇場」と同じように「小池劇場」の舞台を、小池候補リードで動かしたといえるのではないでしょうか。小泉純一郎さんのやり方を真似して、自民党の東京都連(東京都支部連合会)を敵に回す選挙のやり方もそうですし、あるいはかなり早い時期、6月の初めごろに小池さんにお会いした時に、既に都知事選に出るつもりは十分に感じ取ることができました。舛添要一さんの辞任が6月15日ですので、その2週間ほど前から既に決めていたのではないかと思います。

 そういう意味でいうと、節目節目で自民党都連がいわゆる凡ミスをしたということです。つまり明らかに勝負は小池さんの方が上手であったわけです。けんかがうまかったともいえるでしょう。自民党の東京都連の問題もあるのですが、民進党の都連もあまり素早い動きといいますか、賢明な動きをしたとは思え...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
岡本浩
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
プーチンのロシア―その思想と戦略―(1)プーチン政治の特徴
ロシア皇帝のように悪者を叱る人…プーチンの思想と歴史観
山添博史
マルクス入門と資本主義の未来(1)マルクスとはどんな人物なのか
マルクスを理解するための4つの重要ポイント
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(25)《老子の神髄》を学ぶ
【10min解説】田口佳史先生×堀江重郎先生《老子の神髄》
テンミニッツ・アカデミー編集部
老子の神髄(1)「絶対自由の境地」を求めて
『老子』が求める「絶対自由の境地」とは?…そして創造長寿へ
田口佳史
昭和の名将・根本博…内蒙古・終戦後の戦い(4)決断のかげにあった深い葛藤
情報を基にいかに決断するか…その深い葛藤と「南泉猫を斬る」
門田隆将
日本の財政の真実を検証する(6)「経済成長3つの源泉」の具体策
現代日本で「経済成長3つの源泉」の具体的プランを考えると?
宮本弘曉
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
中国春秋戦国時代と始皇帝(7)始皇帝を支えた家臣たち
始皇帝を支えた家臣たち…史実からいかに実像を描いていくか
鶴間和幸
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(6)陰謀論とユダヤ人
ユダヤ人を巡る「陰謀論」の裏を読む…ロシア革命とユダヤ人
鶴見太郎
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
組織心理学とは何か~『武器としての組織心理学』と概論
なぜ組織に「心理学」が必要か?多様化と個の時代の処方箋
山浦一保
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』を読む(1)あらすじと賢治の原稿
未完の長編『銀河鉄道の夜』の魅力と宮沢賢治の思想に迫る
鎌田東二