「逆さ地図」に見る日ロ中韓の宿命的な関係
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
中国、朝鮮半島、ロシアにとって日本は実に邪魔な国
「逆さ地図」に見る日ロ中韓の宿命的な関係
中国、朝鮮半島、ロシアにとって、果たして日本はどのように見えているのか。石川好氏が、一つの変わった地図を使って視聴者の視点を転換しながら、日本と大陸との宿命的な関係について解説する。※使用している地図は富山県が作成した地図(の一部)を転載したものである。(平24情使第248号)
時間:4分59秒
収録日:2013年10月31日
追加日:2014年5月8日
カテゴリー:
≪全文≫

●中国、朝鮮半島、ロシアにとって日本は邪魔な国である


今回は、地図を見ながらお話ししたいと思います。
このシリーズの中でお話ししてきたのは、中国という国の外縁の国の問題です。われわれは普通、世界地図を見るとき、中国や朝鮮半島、ロシアはだいたい左上のほうにあります。その位置に慣れ親しんでいるわけです。
ところが、これは中国や朝鮮半島、ロシアから見ると、日本はいったいどのように見えるかという地図です。東西も南北も逆になっていますが、富山県が作ったもので、別に私が無理やり逆さまに貼ったわけではありません。
これが中国大陸です。そしてこれが朝鮮半島。ロシアがここにあります。そしてこれが東シナ海です。日本列島はこのようになっていて、このあたりまで伸びています。
この地図を見れば、中国、朝鮮半島、あるいはロシアにとって、日本がいかに邪魔な国であるかがすぐに分かります。日本は、彼らが外に出ていくための海を全部遮ってしまっているわけです。沖縄や尖閣諸島はあの辺りにあります。こんなに長い島によって大陸は包囲されているのです。これが、日本と大陸との宿命的な関係です。このような日本の位置を、われわれはどれだけ理解しているでしょうか。

●日本の近代は中国や朝鮮半島やロシアとの紛争の歴史


近代以降、貿易が活発になればどうしても中国、朝鮮半島、ロシアは外海に出たいわけです。そういう中で、日本が朝鮮半島を植民地にして、中国、ロシアと戦争をしたのは、避けられない宿命を感じざるを得ません。どうしても外海に出たい国々と、出るのを遮る日本列島があるわけですから。古代から今に至るまでわれわれと彼らは争う宿命にありましたし、これからもあり続けるでしょう。われわれが世界情勢を考える場合に、日本は中国や朝鮮半島やロシアからこのように見えるのだと学習しておくことは、外交政策を考える上でも、貿易を考える上でも非常に重要です。
これだけ近い国でありながら、この三つの国とうまくやっていけない理由は、間違いなく近代において彼らと戦争をしたからです。ロシアとは二度戦争をしました。日露戦争と第二次世界大戦の末期に、彼らは強引に日本に入ってきました。中国とも、日清戦争や十五年戦争をしています。朝鮮半島は日本が植民地化してしまいました。日本の近代100年は、この地図に見えるところでの紛争の歴史だったという言い方も...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏

人気の講義ランキングTOP10
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
プロジェクトマネジメントの基本(2)プロジェクトの複雑性とマネジメント
コスパが鍵!? 顧客満足につながる品質マネジメントとは
大塚有希子
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害
ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害
島田晴雄
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏
徳と仏教の人生論(1)経営者の条件と50年間悩み続けた命題
宇宙の理法――松下幸之助からの命題が50年後に解けた理由
田口佳史