自律型海中ロボットの仕事
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
海底の地図を作り「全体像」を明らかにするロボットたち
自律型海中ロボットの仕事(4)ロボットで「森」を見る
浦環(東京大学名誉教授/株式会社ディープ・リッジ・テク代表取締役)
「自律型海中ロボットによって、“森”が見えるようになった」と語るのは、九州工業大学社会ロボット具現化センター長・特別教授の浦環氏だ。“森”とは一体何か。自律型海中ロボットは何を実現し、私たちに何をもたらしているのか。浦氏が、自律型海中ロボットの具体的なエピソードと成果を語る。(全4話中第4話)
時間:17分10秒
収録日:2016年5月17日
追加日:2016年9月7日
≪全文≫

●最初のターゲットは明神礁


 その後、私たちはベヨネーズ海丘に出かけています。これは明神礁にあるベヨネーズ列岩という有名な岩です。この辺りにはたくさんの海底カルデラがあって、熱水地帯になっているので、それを調査しました。

 海中ロボットがしなければならない仕事はたくさんありますが、最近の重要な仕事は海底の熱水鉱床の調査です。「海のジパング計画」でもご説明したように、日本の周りにはたくさん海底カルデラがあって、熱水鉱床が形成されています。すでに発見されている数の10倍、100倍あるのではないかとも言われています。その候補の一つがベヨネーズ海丘です。目的としては、熱水活動を発見します。またこのカルデラは急峻な崖に囲まれていますので、潜航するのは難しい。さらに黒潮が流れていますから、ロボットを潜らせるのは危険です。われわれとしては、そうした危険なところにあえて潜らせて、能力を上げていきたいのです。簡単な仕事をさせるだけだと楽ですが、それでは駄目なのです。

 伊豆小笠原諸島からマリアナ諸島まで、ずっと列島になっています。この列島に沿って海底火山や火山があります。明神礁はこの辺りです。海底の地形図を見ると、このようになっています。これが明神礁カルデラで直径が7キロほど。阿蘇山のカルデラが直径20キロくらいですから、その3分の1の大きさです。阿蘇山は、上から見ればカルデラの広がりが分かりますが、海底では音響を使って地図を作らないと私たちが見ることができません。その北に明神海丘カルデラ、ベヨネーズカルデラ、南の方にはスミスカルデラという大きなカルデラがあります。われわれは後でこちらの方にも行きました。

 われわれの最初のターゲットは、明神礁カルデラでした。明神礁、ベヨネーズ、明神海丘、スミスの各カルデラを立体的に見るとこのように見えます。明神礁カルデラは深さが900メートルほど。ベヨネーズカルデラはもう少し浅くて800メートルくらいです。


●危険なところにこそ、ロボットが行くべき


 まず明神礁についてご説明したいと思います。われわれはロボットの行き先をよく勉強しておかなければ、潜らせることができません。ここがベヨネーズ列岩で、もう地形が分かっていました。カルデラはこのように広がっています。われわれは、最初はこの火山、カルデラを調査しなければならないと思って...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
もっと知りたいイヌのこと(1)イヌの歴史を振り返る
オオカミはいつイヌになったか…犬の起源と家畜化の歴史
長谷川眞理子
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
沖大幹
知能と進化(1)知性と身体性
AI、ディープラーニングとは…知能と身体性は不可分か?
長谷川眞理子
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
培養肉研究の現在地と未来図(1)フェイクミート市場とリアルミート研究
食肉3.0時代に突入、「培養肉」研究の今に迫る
竹内昌治
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通

人気の講義ランキングTOP10
墨子に学ぶ「防衛」の神髄(1)非攻と兼愛
『墨子』に記された「優れた国家防衛のためのヒント」
田口佳史
変化する日本株式市場とPEファンド(1)近年急増するPE投資
プライベート・エクイティ・ファンドとは何か…その手法は?
百瀬裕規
新撰組と幕末日本の「真実」(4)江戸の剣術道場が流行した背景
剣術三大流派の道場主も農民出身?…剣術道場の意外な真実
堀口茉純
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
印象派の解体と最後の印象派展(4)印象派の対立とカイユボットの存在
印象派を裏で支えたカイユボット…なぜ評価が低かったのか
安井裕雄
大谷翔平の育て方・育ち方(7)不可能を可能にする力
「てっぺん」を目指したい――不可能を可能にする秘密とは
桑原晃弥
印象派の誕生~8人の主要な芸術家
マネ、モネ、ルノワール…芸術家8人の関係と印象派の誕生
安井裕雄
編集部ラジオ2026(5)中島隆博先生「AIと人間」を紹介
【10分解説】中島隆博先生《AI時代と人間の再定義》
テンミニッツ・アカデミー編集部
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(6)日本人の現場力のすごさ
日本は助かる運命にあった…わが国は現場力で保っている国
門田隆将
こどもと学ぶ戦争と平和(6)平和な社会を守るために
チャーチルの名著『第二次世界大戦』に学ぶ真の平和への道
小原雅博