集団的自衛権から憲法改正へ~今後の安倍政権のロードマップ~
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
集団的自衛権・TPP・消費増税・憲法改正―変わる日本!
集団的自衛権から憲法改正へ~今後の安倍政権のロードマップ~
岡崎久彦(外交評論家)
集団的自衛権行使容認に向けた議論が本格化している。2014年4月末より欧州6カ国を歴訪した安倍晋三首相は、その成功に勢いを得て加速。集団的自衛権、TPP、憲法改正、消費増税──岡崎久彦氏が描く安倍政権のロードマップとは。
時間:6分41秒
収録日:2014年5月7日
追加日:2014年5月22日
カテゴリー:
≪全文≫
<参考>
 安倍晋三首相は2014年5月6日午前フランスパリで開催されたOECD(経済協力開発機構)閣僚理事会で基調講演を行い、「基本的な価値を共有する国々と、公正なルールの下で競争が確保される大きな経済圏をつくり上げる」と、新たな経済秩序の構築への意欲を強調。「OECDには公正なルールを世界にあまねく広げることという使命がある」と指摘した 。また同日午後はベルギーブリュッセルのNATO(北大西洋条約機構)本部で演説し、中国の海洋進出や軍拡の傾向について「わが国を含む国際社会の懸念事項になっている」と批判。同時に政権が掲げる「積極的平和主義」実現に向け、集団的自衛権の行使容認などのために憲法解釈を見直す必要性を訴えた 。


●靖国参拝は与件として、集団的自衛権実現を


岡崎 日本がOECD(経済協力開発機構)に加盟した1964年、私はちょうどパリにいました。その年、パリに日本の在仏大使館の他に、もう一つOECD日本政府代表部ができました。一挙にわれわれ日本人の仲間が倍に増えてにぎやかになりました。今年はOECD加盟50周年です。

 5月6日に安倍首相が行ったOECDの基調講演ですが、日EU・EPAの早期成立などは中国へのけん制も意識しており、むしろNATO(北大西洋条約機構)に向けての演説ですよね。安倍さんは信念があるから何を言っても迫力があります。今回の欧州歴訪ではフランスでは技術協力、軍事協力等も決めましたし、特にフランスは今一番日本を頼りにしているのではないでしょうか。ますます成功です。これでいよいよ日本へ帰ってきて、集団的自衛権ですね。

―― 今回はスピーディーな展開ですね。

岡崎 私は、本当は集団的自衛権の行使容認を就任早々実現してほしかったのです。就任早々に集団的自衛権行使容認を日米防衛協力ガイドラインまで決めてしまえば、後は靖国神社へ行こうと、どこへ行こうと関係ありません。アメリカが怒ろうと中国が怒ろうと関係ないのです。靖国参拝をすると、中国が軍国主義に反対しているというようなうるさい議論になってしまいます。けれども、靖国参拝については、私は安倍さんをずっと見ているから分かるのですが、そういう問題ではないのです。あれは親が亡くなってまだ墓参りをしていない、それだけの事です。第一次内閣の時には参拝していませんから。親が亡くなって一日も早く墓...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎

人気の講義ランキングTOP10
逆境に対峙する哲学(2)運命・世界・他者
「私をお母さんと呼ばないで」…突然訪れた逆境の意味
津崎良典
渡部昇一の「わが体験的キリスト教論」(1)古き良きキリスト教社会
古き良きヨーロッパのキリスト教社会が克明にわかる名著
渡部玄一
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(1)史実としての豊臣兄弟と秀長の役割
豊臣兄弟の謎…明らかになった秀吉政権での秀長の役割
黒田基樹
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
大谷翔平の育て方・育ち方(1)花巻東高校までの歩み
大谷翔平の育ち方…「自分を高めてゆく考え方」の秘密とは
桑原晃弥
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
橋爪大三郎
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
宗教で読み解く世界(1)キリスト教の世界
キリスト教とは?…他の一神教との違いは神様と法律の関係
橋爪大三郎
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政