ポスト国連と憲法9条・安保
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「憲法9条に自衛隊を書き込む」という改憲案は「姑息」
ポスト国連と憲法9条・安保(4)自衛隊と憲法改正の問題
橋爪大三郎(社会学者/東京科学大学名誉教授/大学院大学至善館教授)
憲法によって交戦権を放棄している日本は、「専守防衛」に特化した自衛隊をこれまで組織してきた。しかし、現実的に国際的な危機が高まる中で、有事の際に日本は対応できるのだろうか。さらに、やみくもに改憲に反対するなど、憲法を神聖視するのはおかしい。憲法は神が決めたものではなく、不完全な人間が制定したものだからこそ、修正していかなければいけない。神聖なのは「自由や人権」などの理念なのだ。そのようなことを考えると、「憲法に自衛隊を明記する」といった改憲案は「姑息」以外の何物でもない。(全5話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:11分29秒
収録日:2023年11月1日
追加日:2024年1月16日
≪全文≫

●「専守防衛」の軍事力に特化した日本の危険性


―― そういう中で、今もお話がありましたけれども、日本の自衛隊は、いわゆる装備や軍事力という点でいったら、もういろいろな国の軍隊と比べても引けを取らないくらい強いのではなかろうかというような意見もあります。先生は自衛隊というものが軍隊とは違うということを、『核戦争、どうする日本?――「ポスト国連の時代」が始まった』の中でもかなり強調されていらっしゃいましたけれども、それはどういう点になりますでしょうか。

橋爪 個々の装備や兵器の性能などを単独で取り出してどちらがいいとかいっても、それはあまり意味がないのです。ゼロ戦とグラマンではどちらが優秀かとか、その手の話であって、国の軍事力というのは「1つのシステム」で、全体としてどう機能するかという点が大事です。

 例えば、しばらく前までの自衛隊は専守防衛という考え方でできていたから、相手が攻撃してくるまでは反撃できないし、そして、自分の領海、領空、領土でもって、武力行使を行うということになっていた。要するに、相手国と日本の領空、領海、領土で戦争するわけだから、民間人が大変な危険にさらされるわけです。

―― はい。

橋爪 それ以外の武器、例えば、反撃能力のための少し射程の長いミサイルとか、それから、船でも少し相手を刺激するような能力の高い兵器、空中給油機などというものは全て持ってこなかったのです。そういう問題かと思います。(それらは、)核兵器は別ですが、アメリカが持っていて、使っているものです。通常兵器であれば、アメリカのほうが壊れたときに日本のものを使う、日本のものが壊れたときにアメリカのものを使うというのが一番合理的だから、戦略や戦術で連続的にしておくというのが一番双方にとって利点があるように思います。


●「国防軍」にしてシビリアンコントロールを


―― もう1つの問題として、いわゆるネガティブリスト、ポジティブリストの問題もあると思うのですが、ここはやはり大きいでしょうか。

橋爪 はい。日本の軍隊というのは、法律の立てつけとして戦争しないことになっているから、戦争になった(戦時になった)場合に必要な行動を取ることができないので、実は軍隊としての体裁をなしていないのです。

―― はい。

橋爪 これは大変問題です。だから、戦力として相手に対抗するためには、軍とい...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
墨子に学ぶ「防衛」の神髄(1)非攻と兼愛
『墨子』に記された「優れた国家防衛のためのヒント」
田口佳史
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
日本人が知らないアメリカ政治のしくみ(1)アメリカの大統領権限
権限の少ないアメリカ大統領は政治をどう動かしているのか
曽根泰教
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦

人気の講義ランキングTOP10
AI時代と人間の再定義(7)AIと倫理の問題と法整備の可能性
人間のほうがAIに寄ってしまう?…関係性と倫理のあり方
中島隆博
哲学から考える日本の課題~正しさとは何か(1)言葉の正しさとは
「正しい言葉とは何か」とは、古来議論されているテーマ
中島隆博
こどもと学ぶ戦争と平和(1)私たちに必要な想像力と戦争体験
なぜ戦争が起こるのだろう…大切なのは想像力と生の声
小原雅博
編集部ラジオ2026(2)「時代の大転換期の選挙」特集を解説!
「大転換期の選挙」の前に見ておきたい名講義を一挙紹介
テンミニッツ・アカデミー編集部
おもしろき『法華経』の世界(10)未来への智慧と希望
「未来応化=どんな未来も大丈夫」…ブレない臨機応変の力
鎌田東二
逆境に対峙する哲学(8)白隠の覚悟
宮本武蔵「型を捨てろ」と「守破離」が教えてくれること
津崎良典
これからの社会・経済の構造変化(4)日本企業の課題と組織改革の壁
日本の場合、トップダウンよりボトムアップで変えるべき?
柳川範之
平和の追求~哲学者たちの構想(7)いかに平和を実現するか
国際機関やEUは、あまり欲張らないほうがいいのでは?
川出良枝
徳と仏教の人生論(6)物事の本質を見極めるために
「境地は裏切らない」とは?禅の体験から見えてきたもの
田口佳史
会計検査から見えてくる日本政治の実態(3)戦後初となる補正予算の検査
繰越金が4割も…戦後初「補正予算の会計検査」の実態
田中弥生