“アメリカとは何か”~米国論再考Vol.1
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トランプはアメリカ停滞期の大統領…日本は判断ミスに注意!
“アメリカとは何か”~米国論再考Vol.1(3)テクノロジーの限界と可能性
東秀敏(米国大統領制兼議会制研究所(CSPC)上級フェロー)
アメリカという国を設計したのは、独立宣言と米国憲法だった。歴史を持たないアメリカは、世界史上初めて政治哲学のみに頼った人工的な政体をつくり上げた。これは一種の発明であったが、発明には限界点があり、その度にアメリカは新たな発明を生み出し、難局を乗り切ってきた。日本はこのアメリカの転換にうまく対応できない傾向があるので、今からアメリカの本質を理解し、アメリカの転換に備えることが必要である。(全3話中第3話)
時間:8分45秒
収録日:2020年6月11日
追加日:2020年11月5日
カテゴリー:
≪全文≫

●アメリカという発明の設計図が米国憲法


 次に、独立宣言と米国憲法について説明します。独立宣言は、大英帝国に対する檄文なのです。民主左派のジェファソンが起草して、宗主国に対する抑圧された植民地の現状と新理念を訴えたものです。生命、自由および幸福の追求を含む不可侵の権利を主張しています。最後の幸福の追求権が最も重要で、これが米国精神の発揚を促します。幸福の追求は常にテクノロジーを通じて行うということなのです。

 米国憲法は、政府の暴走抑制の必要性、および民主主義に対する深い不信に根ざした統治論理に基づいています。その結果、民主共和政という矛盾した政体が形成されました。民主主義で平等を約束しながら、実際には共和政的なエリートによる統治を想定しているのです。
イギリスでは当時から現在に至るまで、不文憲法を維持しています。しかし、米国は歴史を持たないため、憲法の明文化を必要としました。その結果、純粋に政治哲学のみに依拠し、米国憲法自体がテクノロジーともいえるような、人工的政体を発明しました。

 先ほども指摘したように、米国憲法は発明の設計図のようなものなのです。米国憲法は、ホワイトハウス、議会、最高裁判所が自動的に力を抑制し合う、高度に機械的な制度を生み出しています。「三権分立」とも呼ばれますが、各機関が均衡と抑制をうまく保っているのです。トランプ大統領は独裁的などといわれますが、これは憲法を理解していない発言です。実は、トランプ大統領は、十分な力を持たない人なのです。その背景には、米国の建国の父が政府の暴走を最も危惧し、そのため非常に力のない政府を生み出したことがあります。米国憲法こそが、13独立州が連合して幸福を追求したときに利用したテクノロジーなのです。


●古いテクノロジーが限界を迎えると新たな発明が生まれる


 テクノロジーには、有効期限ともいえる限界点が必ずあります。しかし、それゆえにいろいろな可能性というのをはらんでいるともいえるのです。テクノロジーの限界点は、時間と共に必ず訪れます。米国の場合は、まずテクノロジーを発明して、難局を乗り切ることが目指されます。しかし、新しく発明された政体は必ず限界に達して、次の発明が成功するまで停滞期間が発生します。新たな...

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