労働基準法の精神
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
日本の労働法制の特徴とは?
労働基準法の精神(3)日本の労働法制にみられる特徴
古賀伸明(日本労働組合総連合会(連合)第6代会長/公益社団法人国際経済労働研究所 会長)
日本労働組合総連合会(連合)第6代会長の古賀伸明氏による労働法に関するシリーズレクチャー。古賀氏は、日本における労働法制の特徴の一つとして、労働環境の変化に伴いさまざまな対応が成されてきたことを挙げる。その変遷を知るために、最低賃金法、男女雇用機会均等法など今ではおなじみの各法制の歩みをひも解く。(全6話中第3話)
時間:5分18秒
収録日:2018年6月25日
追加日:2018年9月17日
≪全文≫

●労働法制の特徴-憲法との関係


 次に、日本の労働法制、特に労働基準法にみられる特徴について話を進めたいと思います。

 第一に、憲法との関係です。憲法に労働法の基本原則が体系的に盛り込まれ、その基本原則に基づいて労働組合法や労働基準法など、労働法制の基軸となる法律が展開されているの は、日本の大きな特徴です。せんほど第1回で述べたように、憲法28条は労働三権、そして憲法27条は労働権の保障と最低労働条件の法定を定めることを謳っています。


●環境変化に伴って労働基準法は多様化傾向に


 特徴の二つ目として、労働基準法の取り巻く環境の変化への対応について、5点お話しします。

 一点目は、日本の労働基準法は労働基準に関する立法が進むとともに、多様化の傾向をみせたということです。例えば、1959年に最低賃金法が独立、1972年には労働安全衛生法が独立しました。 また、業務上の災害と疾病について、労災補償という形で使用者に無過失の責任を課している労働者災害補償保険法も独立しています。

 ここで、セーフティネットとして極めて重要な一つである最低賃金について言及しておきます。

 最低賃金とはいうまでもなく、企業が従業員に支払わなければならない最低限の時給・時間当たり賃金です。日本の最低賃金は現在全国平均で848円、最も高い東京都で958円です。この水準は主要国に比べてかなり見劣りしています。例えば、フランスは1260円、ドイツは1130円、アメリカは州ごとに違いますがニューヨーク州は1144 円です。よって、速やかに、まず全国平均で1000円にすることが求められています。


●その他のさまざまな環境変化対応策


 二点目に雇用政策です。本来は失業対策としての雇用政策法制が労働市場の変化に応じて、多彩な雇用政策の展開となりました。1974年雇用政策の枠組みが構想され、失業保険法(1974年に雇用保険法に吸収)が財政的基盤を提供することになったのです。

 三点目として、(第二次から第三次への)産業構造の変化や女性の就労拡大など、働く者の多様化に伴い、新たな法制度が整備されたことが挙げられます。例えば、男女雇用機会均等法、労働者派遣法、パートタイム労働法、高年齢者雇用安定法、育児休業法、次世代育成支援対策推進法などです。これからは、ワーク・ライフ・バランスやセクハラ・パワハラ・マタハラといった各ハラスメント...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
「逆・タイムマシン経営論」で磨く経営センス(1)人口問題の本質
「逆・タイムマシン経営論」は本質を見抜くための方法論
楠木建
ハラスメント防止に向けた風土づくり(1)ハラスメントの概要
増え続けるハラスメント…その背景としての職場の特徴
青島未佳
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
不便益システムデザインの魅力と可能性(1)「便利・不便」「益・害」の関係
便利を求めるだけのいいの?…「不便益」で発見できる新たな魅力
川上浩司
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治

人気の講義ランキングTOP10
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(2)教義の宗教と覚りの宗教
キリスト教は教義の宗教、仏教は覚りの宗教…仏教はなぜ普遍宗教か
橋爪大三郎
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(3)水戸藩の問題と安政の大獄
安政の大獄は失政!?…井伊直弼は何を見誤ったのか
山内昌之
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
デカルトの存在論に学ぶ(1) 「我思う、ゆえに我在り」
「我思う、ゆえに我在り」はデカルトの専売特許ではない
津崎良典
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
『江戸名所図会』で歩く東京~日本橋 (1)日本橋に見る徳川家康の手腕
徳川家康と江戸の町づくりー江戸時代の「日本橋」の姿とは
堀口茉純
ギリシア悲劇への誘い(7)ギリシア悲劇を論じた歴史
アリストテレス、ニーチェ…哲学者によるギリシア悲劇批評
納富信留
原因と結果の迷宮~因果関係と哲学(6)不在因果の問題
不作為(◯◯しなかったこと)の原因は無限に拡散する
一ノ瀬正樹