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結果的に大学で政治学を4年間勉強して、政経塾に入り、5年間また政治のあるべき姿を勉強しました。しかし、あくまで政治学は政治学で、一般教養として学んだつもりでも、政治家として本当に役に立った発想や気構えというのは、むしろご指摘いただいた時代小説だったのかなと思います。
司馬遼太郎の『坂の上の雲』や『竜馬がゆく』に出てくる夢と志の世界、それから、池波正太郎の武士の凛としたたたずまい、藤沢周平の下級武士の志、山本周五郎の人情の機微、ということのほうが、政治家には必要だったかなと思うのです。
政治家としては、もちろん大衆の前で演説したりすることもありますが、物事を進めるときには、例えば、民主党内でも、対野党でも、最後は結局キーになる人、キーマンとの一対一の対話が多いのです。
首脳外交もそうです。アメリカの大統領や中国の主席、その他の首脳と話をするときも、最後は一対一の、人間対人間の議論になるのです。それは、政治学には出てこないことですし、経済学にも出てきません。相手の思想をよく踏まえて、機微に触れる話をしながら、合意形成したり、説得するというのは、学問ではなくて、まさに時代小説の中に材料がいっぱいあったような気がします。
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概要・テキスト
『鬼平犯科帳(1)』(池波正太郎著、文芸春秋)
池波正太郎や山本周五郎、藤沢周平など、時代小説が政治家としてどう役立ったのか。その影響について、野田佳彦氏が語る。
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