『オンリー・イエスタデイ』のエッセンス
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
イデオロギーでなく世代や政策で政治家を見るべき
『オンリー・イエスタデイ』のエッセンス(後編)
白石隆(熊本県立大学特別栄誉教授)
立命館大学特別招聘教授でジェトロ・アジア経済研究所長の白石隆氏が、自著『オンリー・イエスタデイ』の執筆について語る。竹下登首相がリクルート事件で失脚していなければ、日本の政治はどうなっていただろうか。近い過去を改めて振り返ることで、現在の状況を深く理解し、将来の手がかりを得る。(全2話中第2話)
時間:7分30秒
収録日:2017年11月24日
追加日:2018年3月17日
カテゴリー:
≪全文≫

●リクルート事件は非常に不幸なタイミングで起きた


質問 もし竹下登首相があれだけ早く失脚せず、中選挙区制が守られて省庁再編もなければ、90年代の日本はもっと良くなっていたのではないでしょうか。

白石 そう思います。中曽根康弘元首相は非常にうまいことを言っています。自分の秘書官に言ったらしいのですが、その秘書官がメモワールの中で書いています。中曽根首相は自分の後継者を3人の中から選びました。結局、竹下首相を選んだのですが、そのときこう言ったというのです。「これからはやはり内政が大事だ。だから内政をきちっと押さえられる人を後継者にした」と。

 ですから、リクルート事件は確かにスキャンダルになるのは分かりますが、非常に不幸なタイミングで起きたのだと思います。だからアクシデントなのでしょうし、政治とは常にアクシデントです。


●イデオロギーで政治指導者を判断するべきではない


質問 その後、小泉純一郎首相が出てきて、そして安倍晋三首相によって安定的な政権ができ、ようやく良い方向に向かっているということでしょうか。

白石 ある意味では、日本の多くの人たちの期待値は、ものすごく低くなっています。この程度と言ってはいけないかもしれませんが、この程度の経済の活性化で選挙に勝ててしまうわけです。2017年の衆議院議員総選挙では小池百合子氏のオウンゴールもあったでしょうが。あと1年ぐらいのうちにデフレーションから抜け出せるという期待はあるのかもしれませんが、次の成長モデルが生まれたわけではありません。その点、もう若い世代に任せた方がいいのではないかと私は思っています。

 また、安倍首相になって痛感したのは、結局、保守だとか何だとか言われていましたが、少なくとも彼の社会政策は相当プログレッシブです。つまり、イデオロギーとは無関係なのです。むしろ世代の問題ではないかと思います。もはやイデオロギーで政治指導者を判断するよりも、世代や得手とする政策分野で政治家を見るべきでしょう。

 例えば、安倍首相は63歳です。次の後継者は、50歳ぐらいの人にすればどうでしょうか。そうすると、社会政策でも年寄り重視ではなく、もっと若い人重視の政策が出てくるのではないかと思います。そうすることで、社会そのものが元気になっていくでしょう。ものすごく乱暴な議論ですが、最近はそのように感じています。例えば...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
米国派経済学の礎…ハミルトンとクレイ(1)ハミルトンの経済プログラム
フェデラリスト・ハミルトンの経済プログラム「4つの柱」
東秀敏
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
岡本浩

人気の講義ランキングTOP10
ヒトはなぜ罪を犯すのか(1)「善と悪の生物学」として
ヒトが罪を犯す理由…脳の働きから考える「善と悪」
長谷川眞理子
編集部ラジオ2026(24)「皇室典範改正」を考える
【10minで考える】「皇室典範改正」社会の空気をどう見るか?
テンミニッツ・アカデミー編集部
中国春秋戦国時代と始皇帝(6)秦の恵文王、昭王、荘襄王の時代
秦による中国統一への道…恵文王、昭王、荘襄王が行なったこと
鶴間和幸
昭和の名将・根本博…内蒙古・終戦後の戦い(2)在留邦人の生命財産を保護する決断
武装解除の「厳命」を守るか、戦って在留邦人の「生命」を守るか
門田隆将
天皇のあり方と近代日本(4)三島由紀夫VS東大全共闘
「人間天皇」を否定した三島由紀夫の思想が問うものとは
片山杜秀
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
『太平記』に学ぶ激動期の生き方(1)なぜ今『太平記』を読むべきなのか
『太平記』は乱世における人間の処し方が学べる古典文学
兵藤裕己
老子の神髄(1)「絶対自由の境地」を求めて
『老子』が求める「絶対自由の境地」とは?…そして創造長寿へ
田口佳史
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(3)リベラルアーツの伝統と教育
身につけるべきリベラルアーツとは?…欧米の伝統と変遷から探る
橋爪大三郎