学びとは何か~哲学の入口と自分の発見~
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「学び」とは、入り口がどこにでもあるもの
学びとは何か~哲学の入口と自分の発見~
貫成人(専修大学文学部教授/文学博士)
学びとは結局、何を意味するのか。専修大学文学部教授の貫成人氏はソクラテスから始まった哲学のエッセンスから、学びが常に身の周りにあること、それが新しい自分の発見につながることを論じる。
時間:5分10秒
収録日:2018年2月9日
追加日:2018年5月1日
≪全文≫

●哲学の入口はどこにでもある


 「学びとは何か」についてお話しします。本編の「西洋哲学史の10人」シリーズでもお話ししましたが、哲学はソクラテスが知識や勇気など、身近なことや誰でも経験するようなことについて改めて問いを立てていくことから始まりました。私は、自分が働いている大学の講義やゼミ、あるいは卒業論文の指導などでも常に話していますが、哲学の入口は結局、そうしたソクラテスの話のように、どこにでもあると思います。

 例えば私のゼミの場合、もし学生が漫画好きであれば漫画について、ロック音楽が好きであればロック音楽について、あるいは漫才が好きなであれば漫才について材料を集め、いろんなことを調べたりして、いろいろと考えを練り上げていきます。それによって、漫画の場合であれば「アートとは何か」、ロックの場合であれば「音楽とは何か」、漫才であれば「そもそも笑いとは何か」といった、哲学的な次元まで考えを高めたり深めたりしながら、卒業論文を書いています。


●自分のことを掘り下げるのが重要だ


 もちろん、それをするためにはいろいろと調べなければなりません。しかし、基本的にはまず自分のこと、自分の生きている場所を掘り下げ、自分のやりたいことなどを考えることが重要です。これはやはり人間誰でもやっていて楽しいことになりますが、問題はそれをどうやって生かしていくかということです。逆にいえば、そのようにやっていけば、どんなことでも哲学の入口になるということです。

 例えば、漫画の話を考えていくと、やがてどこかで「そもそも芸術とは何か」ということについて調べるため、美学のさまざまな著作を読まなければなりません。それは自分の関心から出てくる学びなので、非常により深く、より身近に学ぶことができます。そして、それを身に付ければ、それを「てこ」にして自分の考えをさらに深めたり、高めたりしながら、全然考えてもいなかった方向に進めていくということができます。むしろこれまでそれが現にできていたのです。

 このようにやっていけば、自分が何を考えていたのか、自分はどういう人間なのかということを発見することができるかもしれません。あるいは漫画など、普段人が当たり前のように見ているものについて、今まで誰も気が付かなかったことを発見することもできます。


●哲学者の書物は自分の議論を鍛えるためのツ...


スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
「学びたい」心のための環境づくり
人間だけが大人になっても「学び」を持続できる
長谷川眞理子
『タテ社会の人間関係』と文明論(1)誤解を招いた「タテ社会」の定義
誤解された『タテ社会の人間関係』…日本社会の本質に迫る
與那覇潤
ギリシア神話の基本を知る(1)「ゼウス以前」の神々の戦い
ギリシア神話…ゼウスの「父親殺し」とオリュンポス十二神
鎌田東二
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(33)鎌田東二先生の法華経講義解説-2
【10min名作探訪】大丈夫だよと励ましてくれる『法華経』…鎌田東二先生の講義
テンミニッツ・アカデミー編集部
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「満洲」から考える日本とアジア(4)蒙古襲来と清朝建国
実は元寇はモンゴル人ではなかった?満洲をめぐる民族興亡史と「漢族」との関係…蒙古襲来から清朝建国まで
宮脇淳子
おもしろき『法華経』の世界(1)法華経はSFだ!
法華経はSFだ!…心を元気にしてくれる法華経入門
鎌田東二
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
プロティアン~最先端の自律的キャリア形成(1)変幻自在のキャリア論
なぜ第二の人生のためにキャリアの棚卸しが必要か~組織から自律へ
田中研之輔
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
「ホメロス叙事詩」を読むために(7)オデュッセウスの冒険
ホメロスの『オデュッセイア』が描く苦難と誘惑の冒険譚
納富信留
ピアノでたどる西洋音楽史(1)ヴィヴァルディとバッハ
クラシック音楽の歴史をピアノ演奏で辿る~ヴィヴァルディ四季
野本由紀夫