苦節35年、集団的自衛権閣議決定 日本の安保体制確立へ
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
父子三代、岸信介以来の念願を遂にかなえて感無量
苦節35年、集団的自衛権閣議決定 日本の安保体制確立へ
岡崎久彦(外交評論家)
7月1日、安倍内閣は、集団的自衛権の行使容認を閣議決定した。1980年代に戦略論の名著と名高い『戦略的思考とは何か』を上梓し、集団的自衛権を主張し続けてきた岡崎久彦氏が苦節35年の真意を語る。
時間:15分02秒
収録日:2014年6月25日
追加日:2014年7月2日
カテゴリー:
≪全文≫

●石油ルート哨戒に加われなかった35年前の痛恨


岡崎 集団的自衛権行使の閣議決定が出たら、産経新聞に論説を書こうと思っています。題は、「苦節35年、ついに集団的自衛権の行使を認めた」にしようと思っています。(参考:2014年7月2日付産経新聞 正論「苦節35年、集団的自衛権の時きた」)

 何が35年かと言うと、1980年を基準にしています。ですので、そこから35年になりますね。

 1980年、あるいはその前後はどのような情勢だったのか。ベトナム戦争の最中だった当時、ソ連海軍がベトナムのカムラン湾を占領し、駐留していました。南シナ海の航行はソ連海軍が見張っていました。また、79年にホメイニ革命(イラン革命、イラン・イスラム革命)、そして80年にイラン・イラク戦争が勃発します。それによって湾岸の海洋交通路も脅かされていました。日本にとって死活的に重要な、日本からペルシャ湾に至る日本の石油ルートが全て脅かされていたのです。

 それを常時パトロールして守ったのが、アメリカの第7艦隊でした。ところが、これは楽な任務ではありませんでした。甲板上は昼は40度から50度になります。あの頃の軍艦では冷房もあまり効かず、夜もゆっくり休めません。それを何カ月も続けるのです。

 当時、私は防衛庁に勤務していたのですが、ある時、横須賀基地のアメリカ海軍司令官が私のところへふらっと遊びに来まして、公式の申し入れではなく、いわば雑談として聞いてくれと訴えました。そのように非常につらい任務だが、パトロールしていると来る船来る船全部日本のタンカーである、と。それで水兵が怒ってしまって「俺たちはこれだけ苦労をしている。どうして海上自衛隊が来ないのか?」と言うのだそうです。司令官は言いました。「自分には日本の政治事情は分かる。しかし水兵たちには分からない。水兵の間にそれだけ怒りがたまっている状況であることは分かっておいてほしい」と言ったそうです。

 ところが、海上自衛隊はそれができなかったのです。集団的自衛権がありませんから、日本の船は守れても、一緒に行動しているアメリカの軍艦も守れなければ、アメリカやインドネシアやタイの船も守ってはいけない。航行中の日本の船がたまたま攻撃されたら、それだけは守れますが、それ以外は集団的自衛権行使にあたるから、というわけです。しかも日本の船なるもの...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
戦争と平和の国際政治(1)「合理性の罠」とインテリジェンス
国際政治の要諦は戦略とインテリジェンス
小原雅博
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博

人気の講義ランキングTOP10
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
インフレの行方…歴史から将来を予測する(5)トルコ化の可能性と円安の要因
年率80%を超えるインフレ!…日本は「トルコ化」するか?
養田功一郎
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(4)ベントの死闘とプロの責任感
「これからベントをやる。メンバーを決める!」…決死の現場
門田隆将
編集部ラジオ2026(3)高市政権の行方と「明治維新」
高市政権の今後は「明治維新」の歴史から見えてくる!?
テンミニッツ・アカデミー編集部
平和の追求~哲学者たちの構想(7)いかに平和を実現するか
国際機関やEUは、あまり欲張らないほうがいいのでは?
川出良枝
こどもと学ぶ戦争と平和(4)人間はなぜ戦争をするのか
人間はなぜ戦争をするのか?2つの要因から問う平和の条件
小原雅博
おもしろき『法華経』の世界(9)「如来寿量品」と三身論
仏の寿命は無量で久遠に実在する…「如来寿量品」の神秘
鎌田東二
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(6)曼荼羅の世界と未来のネットワーク
命は光なのだ…曼荼羅を読み解いて見えてくる空海のすごさ
鎌田東二
AI時代と人間の再定義(6)道徳の起源から考えるAIと感情の問題
道徳の起源は理性か感情か?…AI時代に必要な思考の身体性
中島隆博
徳と仏教の人生論(6)物事の本質を見極めるために
「境地は裏切らない」とは?禅の体験から見えてきたもの
田口佳史