政治記者の考える政策課題
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「税と社会保障の一体改革」は非常に大きな成果だが・・・
政治記者の考える政策課題(2)社会保障
星浩(ジャーナリスト 元 朝日新聞社 特別編集委員/TBSスペシャルコメンテーター)
税と社会保障の一体改革によって消費税は8パーセントに上がり、さらに来年には10パーセントに上がる予定だ。消費税増税の必要性はどこにあるのか。私たちが支払った消費税は何にどのように使われるのか。星浩氏が、社会保障と税の関係、社会保障のさまざまな問題について大いに語る。
時間:10分28秒
収録日:2014年4月4日
追加日:2014年8月14日
≪全文≫

●税と社会保障の一体改革は非常に大きな成果


 今日は、「政治記者の考える政策課題」の第二弾で、社会保障の話をしたいと思います。民主党・野田政権の最終盤で、税と社会保障の一体改革が自民党、公明党も加えた3党によって合意され、消費税が今年の4月に5パーセントから8パーセントに引き上げられ、さらに来年の10月には8パーセントから10パーセントに引き上げられることが決まりました。また、それによって増えた税収で社会保障を充実させることも決まっており、現在、さまざまな法改正を伴いながら実現に動いています。

 合意当時は大いに批判されましたが、私は、消費税増税を3党が合意に達したことは非常に大きな成果だったと思います。日本の政治もようやくそのような成果が出せるほどに成熟したのだと感じています。

 安倍政権とともにアベノミクスがスタートし、金融政策から始まって、財政政策、成長戦略という「3本の矢」が用意されました。大胆な金融緩和を行い、それから大規模な財政出動を実施して、とにかくデフレ脱却を目指そうとする発想は安倍政権の手柄ですが、実は事前に消費税増税のプランが固まっていたからこそ、安倍さんがこのような大胆な政策を打つことができたという側面もあります。ですから、アベノミクスは安倍さん独自の成果とは必ずしも言えません。政策は連動していますから、前後のつながりも考えておく必要があるのです。いずれにしても、そのようにして税と社会保障の一体改革が動き出しました。

●現在の社会保障は、国の借金で維持されている


 消費税が1パーセント上がると2.5兆円ほど税収が増えますから、5パーセント増で12兆円くらいの財源ができます。それを社会保障に充てるというのが税と社会保障の一体改革の方針です。それ自体はけっこうなことですが、実は日本の社会保障費は国のお金だけで約30兆円に上ります。社会保障は大きく分けて年金、医療、介護、それから子育ての4分野がありますが、それらに対して国が30兆円ほどの支出をしています。さらに、実は都道府県や市町村、企業、本人の窓口負担を全て合わせると、毎年100兆円くらいの支出がなされています。大量のお金が社会保障につぎ込まれているのです。

 次に歳入のほうを見ると、国の歳入全体で税収が約44兆円あります。あとの40兆円ほどは借金です。8パーセントの消費税で...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(8)10分解説!第二の人生の仕事革命
年金の「働き損」解消時代!第二の人生を充実させる方法とは
テンミニッツ・アカデミー編集部
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(5)SNS社会と「二宮尊徳的」時代の終り
「既読」への不安…SNS社会にみる日本社会の混乱の要因
與那覇潤
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(1)定年制は要らない
仕事をするのに「年齢」は関係ない…不幸を招く定年型思考
出口治明
『孫子』を読む:地形篇(3)逆命利君の教えと絶対的勝利の条件
逆命利君か従命病君か――漢の時代から伝わる重要な戦略論
田口佳史
これからの社会・経済の構造変化(2)経済的利益と社会課題解決の両立へ
利益か社会課題解決か…かつての日本企業の美点を取り戻せ
柳川範之
新撰組と幕末日本の「真実」(8)戊辰戦争~明治期の新撰組の魂
受け継がれる魂…戊辰戦争での奮戦と自由民権運動の情熱
堀口茉純
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
定年後の人生を設計する(1)定年後の不安と「黄金の15年」
不安な定年後を人生の「黄金の15年」に変えるポイント
楠木新
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄