●節目の時期に必要な新しいビジョン-プラチナ社会
2050年は、今から36年後ですね。そうすると、君たちは50歳になっているとかならないとか、だいたいそういう時代です。何か事故がなければ、必ず君たちは生きていますね。そのときは僕も生きているつもりです。36を足すと、僕は105歳になります。今、もう105歳というのは、頑張れば何とかなりますよね。ですから、僕も何とか2050年というところまでは見てみたいなと思っています。そういう時代です。まさに君たちが社会の中核としてやっている時代、それが2050年。ですから、そのあたりのことまでは考えて、ビジョンや未来を設計しないといけない。この辺は、多分君たちは同意してくれると思います。
それでは、僕がどう考えているのか。若い人に「頑張れ」とは皆よく言いますが、大人も頑張らないといけないわけです。僕は今、世界をどのように考えているのか、その中で日本をどのように考えているのか、最初にそういう話をします。
答えから言うと、今、もう世界は人類が初めて経験する、非常に大きな節目の時期だと僕は思っているのです。そういう話をします。
それから、そういう節目のときには、新しいビジョンが必要だと思っています。それを、僕は「プラチナ社会」と言って提案をしています。それが、この「プラチナ未来人財育成塾@会津」の「プラチナ」という言葉の意味なので、そういう話をします。
●長い目で見ると「今」が分かる
これは、少し見慣れない図だと思います。今、日本の経済がどうだとか、アベノミクスだとか、いろいろなことが言われていますが、そういう1年単位の話もとても重要なのですが、先ほど言ったように、今は人類の節目の時代ですから、この図の横軸を1000年でとってあるように長い目で見てみると、やはり「今」というものが見えてくる。そういうことがあるのです。
この図は何を軸にとったかというと、横は1000年で、縦はGDPです。GDPというのは分かりますか? 生産量というか、生産速度というか。1人当たりのGDP、生産量。これは大体、1人当たりの収入と考えてもそれほどおかしくはありません。その生産額、収入が縦軸になっています。
●先進国と途上国ではGDPに大きな差があった
収入はもちろん、この1000年前と今とを比べると、おそらく大体10...