財政問題の本質を考える
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
社会保障費が膨らむ日本の医療保険制度の構造的な問題
財政問題の本質を考える(3)社会保障の国際比較と是正
岡本薫明(第15代財務事務次官/日本たばこ産業(JT)取締役副会長/株式会社読売新聞東京本社 社外監査役)
人口構造の変化と高齢化に伴う社会保障給付の増加が日本の財政問題になっているが、社会保障費が増える原因はけっして高齢化だけではない。そこには日本の医療保険制度の構造的な問題もある。健やかで安全な生活を守るためにも負担割合の見直しが必要とされている。(全3話中第3話)
時間:12分20秒
収録日:2021年4月27日
追加日:2021年7月14日
≪全文≫

●高齢化に伴って増えていく社会保障費


 こちらのスライドは1人当たりの医療費・介護費を、65歳~74歳のいわゆる前期高齢者の方と75歳以上の後期高齢者の方の平均で比べたものです。

 例えば医療費で見ると、医療費がほぼ倍ぐらいに増えます。実はこの増える分のほとんどが、保険料よりも財政負担で賄われるので、1人当たりの国庫負担に相当する額が大きく増えます。介護は当然お年が進めば、介護のサービスがより必要になるので、ある意味当たり前です。介護で見ると、よりその傾向は顕著だということがお分かりいただけると思います。

 ただ前回、人口構造の変化で見たように、問題はこれから後期高齢者がどんどん増えてきて、むしろ前期高齢者の方が減ってくることです。さらに、64歳以下も少子化の影響で今後、薄くなっていきます。

 この人口構造の変化と高齢化に伴う社会保障給付の増加が、前回申し上げた財政の問題となっています。この社会保障の給付と負担のバランスをいかに適切化するかが非常に重要な問題になります。それを考える際には、人口構造の問題をしっかりと見据えて、いろいろな課題に取り組んでいく必要があります。


●日本の医療保険制度における4つの特徴


 その際の視点を整理したのがこちらの資料です。これはわが国の医療保険制度の特徴と課題を整理したものです。わが国の医療保険制度の特徴を4つ掲げています。まず1つ目が国民皆保険であること。2つ目が、国民の皆さまがどの病院に行くかということを選べるフリーアクセスであること。3つ目は、医療を提供する側は自由開業の制度になっていること。4つ目は、かかったものについては出来高払いで支払われることです。これは日本にいると至極当たり前に受けとめられると思います。

 保険制度ではなく、税で賄っている国があります。例えばイギリスなどがそうです。そうするとどうなるかというと、医療費は原則無料です。これを聞くと非常に充実したサービスと思われますが、勝手に病院にかかることができません。まずかかりつけ医のところで診断を受けて、必要ということであれば国立病院に行って治療等々が受けられる仕組みです。また、当然お医者さんの方も自由開業ではありません。なおかつ予算で統制され、歳出の中で医療サービ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
米国派経済学の礎…ハミルトンとクレイ(1)ハミルトンの経済プログラム
フェデラリスト・ハミルトンの経済プログラム「4つの柱」
東秀敏
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
小原雅博
資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
市場予測のポイント…短期・中期・長期の視点と歴史的洞察
養田功一郎
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(28)自由喪失の危機に考えるハイエク-1
斎藤幸平氏に物申す…自由喪失の危機に読みたい自由主義の近現代史
テンミニッツ・アカデミー編集部
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(2)開国の是非と将軍継嗣問題
「尊王攘夷か佐幕か」…天皇絶対主義に結びつく厄介な問題
山内昌之
資本主義の再定義…哲学で考える(6)「学ぶ」ことの本質と道徳の問題
「一人で悟るのは危険だ」…学ぶことの本質と日本の役割とは?
中島隆博
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
AI時代と人間の再定義(2)仏法僧の三宝と対話による道徳的進歩
考えるとは相手の頭を使って考えること…共同で思考する意義
中島隆博
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
組織心理学~「妬み」との上手な付き合い方(1)いい妬み・悪い妬み
いい妬みと悪い妬みの2種類がある…「嫉妬」の本質に迫る
山浦一保
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫