ブラジル訪問に学ぶ
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エンブラエルやペトロブラスにみるブラジル企業の多様性
ブラジル訪問に学ぶ(3)ブラジルの復元力の源は「多様性」と「明るさ」
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
日本から見れば地球の反対側に位置するブラジル。しかし、ブラジルと日本の間には地理的なものだけではなく、いくつもの「正反対」が存在する。その中にこそ、日本の問題を打開するヒントがある! 島田晴雄氏が実際に見聞きし肌で感じた、日本が学ぶべきブラジルの姿とは? ブラジル篇最終話。(2014年10月2日開催島田塾第117回勉強会島田晴雄塾長講演より、全7話中第3話目)
時間:12分08秒
収録日:2014年10月2日
追加日:2015年1月5日
≪全文≫

●ブラジルの復元力を支える明るさ-その秘密は「多様性」にあり


 ジルマ・ルセフさんは、ブルガリア系とブラジル系の混血なのですが、お父さんと14歳で死別して、大学時代に軍政に反対して左翼ゲリラ活動をしたために、何度も牢獄に入れられて拷問を受けています。ただ、前大統領のルーラさんに見込まれて閣内に入って大臣になって、官房長官を務めました。「鉄の女」と言われ、ものすごく冷たい感じの人だったのですが、今、新聞にも出ていますけれど、整形手術をして表情を全部変えて、何だか頼りがいのある優しいおばさんのような雰囲気が出てきていますね。

 このルセフさんがいろいろ政策を試みたのですが、一回目でお話ししたようないろいろな問題があって、なかなかうまくは行きませんでした。ただ、ここまでで申し上げたように、あの大国は4回も5回も浮沈を繰り返しています。すごい復元力があるということで、やはりそれを支えているのは、彼らの明るさではないかと思うのです。

 その明るさの秘密の一つは、日本にないことですが、人材が非常に多様なことです。白人が約40パーセント。そして、モレーノというのですが、これは白人と現地住民の混血です。ブラジルの褐色の肌というのは、皆、モレーノですよね。今、ものすごく受けていて、ファッションモデルや、映画俳優にもたくさんいますが、この人たちが55パーセントくらいで、黒人約5パーセント、アジア系が1パーセントです。1パーセントというと大体200万人ですね。そのうち150万人が日系人です。

 なぜ、日系人がブラジルで他の南米諸国にはないほど活躍できたのかというと、この多様性の成せるわざではないかという説があって、私もそうだなという感じがします。非常に包容力があって、許容性の高い開放的な社会ですよね。犯罪率はすごいですけれども、そのようなことは皆、気にしません。


●デザインと世界戦略でトップメーカーに躍り出たエンブラエル


 ブラジルにエンブラエルという小型機をつくっている飛行機メーカーがあります。小型機メーカーは、カナダのロンバルディアがずっと支配していたのですが、この10年ぐらいでエンブラエルが急追して、とうとう追い抜き、世界一になりました。そのエンブラエルの工場を見に行って、写真は撮るなと言われたので、1枚だけ撮らせてもらいました。すてきな飛行機をつくっていま...

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