ブラジル訪問に学ぶ
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
カルドーゾ大統領とルーラ大統領によるブラジルの発展
ブラジル訪問に学ぶ(2)ブラジルを頂点に導いた二人の大統領
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
軍政からオイルショックを経て民政移管。その後、2000パーセントに及ぶインフレ率が一気に1桁台に収束。どん底と頂点を繰り返し経験しながら、ブラジルはその存在感を高めていく。奇跡の逆転劇を可能にした二人の偉大な大統領の秘策を島田晴雄氏が解説するブラジル篇第2話目。(2014年10月2日開催島田塾第117回勉強会島田晴雄塾長講演より、全7話中第2話目)
時間:13分53秒
収録日:2014年10月2日
追加日:2014年12月23日
≪全文≫

●軍政時代の功績-見事な経済戦略


 軍政が敷かれて治安状況が少し治まったということで、投資がどんどん起きました。この頃、ブラジルにはホンダが入っています。特に、ホンダのブラジルでの二輪車の販売台数は今1000何百万台で、すごいのです。

 ところが、この軍政は面白くて、経済戦略が見事なのです。テクノクラート(官僚)のロベルト・カンポスという世界的に有名なエコノミストが経済企画庁のようなものをつくって、彼らのチームでいろいろなことをやります。輸入ばかりして一次産品しか出していなかったのを、輸入代替工業化路線を進めました。

 後にブラジルが世界に誇る大計画になったものは、実を言うと全て軍政時代のもので、このロベルト・カンポスたちがしたことなのです。例えば、海洋油田の開発ですが、最近地下5000メートルの採掘に成功して、画期的ということで注目を浴びていますけれど、それもこの時代に考えられました。それから、エタノールです。アメリカでは農地を減らさなければいけないですが、ブラジルは、いくらとうもろこしでエタノールをつくっても、食用とうもろこしを減らす必要がないほど農地が広いのです。それから、セラード農業開発です。これは田中角栄さんがその開発支援を約束して始まりました。そして、カラジャス鉄鉱山ですが、これは世界最大の鉄鉱山です。また、世界最大のイタイプ水力発電所、マナウス保税加工区、5000キロメートルアマゾン横断道路、鉄鉱石運搬の鉄鋼鉄道、これらは全部軍政の時代に構想が出来ているのです。


●オイルショックで極度のインフレに-軍政から民政へ移管


 軍政の前半に経済成長率年率10パーセントの高成長を達成したので、世界中から投資が殺到して、今度はまた底の状態から山に向かってバーッと上がったのです。前回お話したクビチェック大統領の失政の頃から10年経ってこういうことが起きるのです。

 ところが、オイルショックで暗転します。ブラジルは当時、日本と同じ立場で、石油が全然出ない国でしたから、アラブが石油価格を上げたので、とんでもないインフレになったのです。そこで、石油不足に対してブラジルは正攻法で、海洋石油開発をしよう、エタノールを活用しよう、大規模水力発電をやろうということになりました。こういったことを資材の国産化というのですが、そういう効果が出る前に財政赤字がどん...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
半導体から見る明日の世界(1)世界的な半導体不足と日本の可能性
なぜ世界の半導体不足は起きた?台湾TSMCと日本復活への鍵
島田晴雄
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生

人気の講義ランキングTOP10
日本の財政の真実を検証する(4)日本の台所事情と財政の本義
「1秒間に41万円?」…この数字はいったい何を意味するか?
宮本弘曉
中国春秋戦国時代と始皇帝(3)戦国時代初期――戦国七雄と合従連衡
戦国七雄とは?合従連衡とは?…各国の勢力拡大と小国家の運命
鶴間和幸
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(3)リベラルアーツの伝統と教育
身につけるべきリベラルアーツとは?…欧米の伝統と変遷から探る
橋爪大三郎
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
編集部ラジオ2026(22)「中国古代史」特集紹介!
【10min解説】「中国古代史という知の宝庫」特集の各話紹介
テンミニッツ・アカデミー編集部
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄