原子力発電の戦争リスク
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
原発が攻撃されたらどうなる?被害の大きさと戦争リスク
原子力発電の戦争リスク(1)原子力発電所が攻撃されたらどうなるか
鈴木達治郎(長崎大学客員教授/NPO法人「ピースデポ」代表)
「ロシア軍によるウクライナ原発攻撃」という衝撃のニュースが飛び交った今般のロシア・ウクライナ戦争。原子力発電に関わる施設が武力攻撃を受けることで、一体どのような被害が起こり得るのだろうか。多くの原子力発電所を保有する日本にとっても重要な問題である原子力発電の戦争リスクについて、多様化する攻撃手段や戦争以外のテロリズムも踏まえて解説する。(全2話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:13分54秒
収録日:2022年10月18日
追加日:2022年11月25日
≪全文≫

●原子力発電所にミサイルが着弾したらどうなるのか


―― 皆さま、こんにちは。本日は鈴木達治郎先生に「原子力発電の戦争リスク」というテーマでお話をいただきます。鈴木先生どうぞよろしくお願いいたします。

鈴木 よろしくお願いいたします。

―― 原子力発電と戦争、あるいはテロのリスクということなのですけれども、今般もこのロシアによるウクライナ侵略で原子力発電所が占拠され、攻撃されるのではないか、どうなるのだという議論も起こっています。

 非常に初歩的な質問で恐縮ですが、原子力発電所に通常のミサイルが着弾した場合はどうなるのでしょうか。例えば、いわゆるかつて原爆が爆発したような核爆発が起こるのか、あるいはどういう被害が出るのか、そのあたりはいかがでございますか。

鈴木 原子力発電所の核燃料では、基本的に核爆発は起こりません。しかし、われわれが経験したチェルノブイリ原発の事故とか福島原発の事故のように、中に入っている大量の放射性物質が大気中に拡散してしまうという事故は起こり得るということです。水素爆発は起こりますが、核爆発が起こるということはないのです。大量に入っている放射性物質が拡散してしまう。これが深刻な事故だということですね。

―― そうすると、やはりイメージとしては、例えば広島・長崎のような被害というよりは、チェルノブイリ原発や福島第1原発のような事象が起こってしまうということですね。

鈴木 はい、それが起こってしまうということです。


●原爆より原子力発電所のほうが圧倒的に核物質の量が多い


―― 原子力発電所がそのような被害に遭った場合、何が一番のリスクになるのでしょうか。

鈴木 これも基本的にはチェルノブイリ原発や福島原発と同じなのですが、核物質は実は原爆よりも原子力発電所のほうが圧倒的に量が多いのです。

―― どのぐらい違うものなのですか。

鈴木 大体1000倍とか1万倍です。例えば、核兵器に入っている核物質の量は大体何キログラムあるいは何十キログラムというように、キログラムのオーダーです。ところが、原子力発電所に入っている核燃料はトンのオーダーです。それだけでも1000倍です。さらに出力が高いものになってくると、その10倍とか、もっというと1万倍、10万倍ぐらいの放射性物質が中に入っていることもありますので、量的に非常に多いのです。ただ、例えばチェルノ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
市場予測のポイント…短期・中期・長期の視点と歴史的洞察
養田功一郎
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生

人気の講義ランキングTOP10
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
編集部ラジオ2026(10)ユダヤ人特集~鶴見太郎先生
【10min解説】鶴見太郎先生《教養としてのユダヤ人の歴史》
テンミニッツ・アカデミー編集部
ユダヤ神話の基本を知る
ユダヤ教の神話…天地創造、モーセの十戒、死後の世界
鎌田東二
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
イスラエルの歴史、民族の離散と迫害(1)前編
古代イスラエルの歴史…メサイア信仰とユダヤ人の離散
島田晴雄
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(7)若者の引きこもりと日本の教育問題
日本の引きこもりの深い根源…「核家族」構造の問題とは?
與那覇潤
これから必要な人材と人材教育とは?(2)AI時代に必要とされる能力
AI時代に必要なのは「問いを立てる能力」…いかに育成するか
柳川範之
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
織田家中一の武略者…『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の知られざる実像
黒田基樹