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“なぜ”を繰り返せ!『発想力の全技法』に学ぶ原因探究法

「発想力」の技法を学ぶ(1)発見と探究(前編)

三谷宏治
KIT(金沢工業大学)虎ノ門大学院 教授
情報・テキスト
『発想力の全技法 発見する眼、探究する脳のつくり方』(三谷宏治著、PHP文庫)
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発想において最も大切なことは「座って悩むな、動いて考えよ!」である。職場や家庭で、乗り越えなければならない課題は日々やってくるが、それを解決するためのアイデアを発想するためには、誰にでも意識できるコツがある。そのキーワードは「発見と探求」である。前編の第1話では著書『発想力の全技法 発見する眼、探究する脳のつくり方』(PHP文庫)を手すりにまず、興味深い問題の事例をいくつか解きながら、“What”から“Why”へと思考を深めていく重要性を解説していく。(全2話中第1話)
時間:14:07
収録日:2023/10/06
追加日:2024/02/14
キーワード:
≪全文≫

●発想において最も大切なこと「座って悩むな、動いて考えよ!」


 改めまして、三谷宏治です。今回は「発想力」についてお話をしたいと思います。『発想力の全技法 発見する眼、探究する脳のつくり方』(PHP文庫)という本も書いています。キーワードは「発見と探究」です。

 まず、こんな問題からいきましょう。横棒の部分があります。Aの横棒が長いか、Bの横棒が長いか、それとも同じか、必ずどれかに手を挙げていただきたいと思います。

 Aの横棒が長いと思う人、手を挙げてください。Bの横棒が長いと思う人、手を挙げてください。A、B同じだと思う人、手を挙げてください。

 さあ、そのまま、同じだと思う人、手を挙げておいてください。(実は)そう、Bのほうが長いのです。

 この問題をやると、99パーセントの人たちは間違えます。知っているからです。これはミュラー・リヤーという人が昔作った錯視図です。目の錯覚だから錯視です。外側に開いていると長く見えます。内側に閉じていると短く見えます。Aのほうが長く見えて当然です。それが人間の脳の自動的な作用です。でも、実は同じだというのが、ミュラー・リヤー錯視図です。それに、私が少し意地悪をしています。

 この問題も、社長さんたちから小学1年生まで、いろいろな人たちにやっています。小学3年生以上はみんな間違えます。「知っている」からです。知っているということは大事なことです。知っていれば悩まなくていい。そして、すぐ答えにたどり着ける。でも、代わりに捨てるものがあります。それは「考える」ということです。

 人は、知っていると思った瞬間に考えることをやめてしまいます。みんなが持っている同じ知識のことを「常識」というようにもいうのでしょう。それがいつか身を滅ぼすということでもあります。なぜなら、どんどん考えなくなるからです。

 少なくとも私が受けてきた教育は知識です。せいぜい、パターン認識です。見た瞬間、このパターンだ、だからこの解法で解く、といって手を動かさないと、絶対間に合わないようにできています。考える暇なんてありません。考えたら終わりです。そんな訓練を受けてきています。

 ちなみに、この間、新聞を読んでいたら、ある中学受験の予備校のトップの方がインタビューに答えてこんなことを言っていました。「さすがに最近は、いい中学は考えさせる問題を出している。その場で考えないと分からない。知識ではダメだ。そんな問題を出している。さすがだ。でも、それに対して自分たちも含めて、では塾は何をしたかといったら、そういう問題すらパターン分けして、ものすごい(数の)パターンに分けて、これでいけるのだというようなことを編み出した。だから、子どもたちが学ばなければいけないパターンというものは、前よりも何倍にも増えて、もう限界だというところまできている」。というようなことをおっしゃっていました。(つまり)どんどんと考えなくなってしまうのです。

 発想ということにおいて、1つ、私が言いたいことがあるとすれば、これだけです。「座って悩むな」ということです。

 おそらくこの問題(どちらの横棒が長い?)を出したときに、今見られていた方、聴かれていた方の何人かは画面に手を伸ばして、実際測ってみるということをされたかもしれません。そうなのです。頭ではなくて、そうすれば解けるわけですよね。悩まなくても、実際に動いて、測ればいい。

 でもまた面白いことに、オンラインでビデオを見ているとそうやって測れる人も、これがリアルで、スクリーンが前にあったら、まさかそこで立って、スクリーンに手を伸ばす人はいませんよね。でも、それができるかどうかなのです。「えっ、そんなの常識的じゃないよ」。でも、私はそのときに「命がかかっていますよ」と言ったりします。でも、命がかかっていても、そうやって動く人は1000人に1人しかいません。それではダメなのです。座って悩まずに、動いて考えられるか。これが発想において最も大切なことです。


●「アハ」の驚きを探求につなげる


 もう1問いきましょう。今度はなぞなぞです。まずはご自身で考えてみてください。

 なぞなぞです。よく考えてみてください。

 はい、いいでしょうか。これはなぞなぞなので、正解が分かったら「分かった」と分かります。スッキリするからです。

 正解が分かりましたかね。そう、答えは「中国人」です。

 ときどき、怒る人がいます。なんだ、そういうことかと。そう、「なんにん」と読むのか、「なにじん」と読むのか、それだけで答えが変わります。でも、私はこの問題を出すときに大きなヒントも皆さんに提供してい...
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