「発想力」の技法を学ぶ
この講義シリーズの第1話は
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
セブンカフェ、無印良品…成功事例に学ぶ「デザイン思考」
「発想力」の技法を学ぶ(2)発見と探究(後編)
三谷宏治(KIT(金沢工業大学)虎ノ門大学院 教授)
問題解決のためのアイデアを生み出すために有効なのが、「デザイン思考」という方法だ。その思考法において発見からの開発へと向かう中、重要となるのは、どれだけ試行錯誤を繰り返すことができるかということである。そして今後、AI時代を突き進む中、これからの未来を生きる力としてまさに「試行錯誤力」をどう高めるのかがポイントだろう。そこで今回は、「無印良品(MUJI)」の良品計画の「長押」、セブンイレブンの「セブンカフェ」における、発見からの開発への成功事例を取り上げながら、スキルとしての発想力の身につけ方を学んでいく。(全2話中第2話)
時間:15分13秒
収録日:2023年10月6日
追加日:2024年2月14日
≪全文≫

●「デザイン思考:発見からの開発」例1――無印良品(MUJI)の「長押」


 「無印良品(MUJI)」、会社の名前は良品計画です。あるとき、収納家具プロジェクトが立ち上がりました。ターゲットは若者です。若者の部屋に収納家具を売りつけよう。頭の中ではいろいろ考えていました。若者の部屋は物も多いだろう、でも狭いだろう。だから収納家具というようなものは売れないだろう。だから「収納兼××」、例えば「収納兼座れる」、座れる収納チェストとかはどうだ。そんなことをいろいろ考えていたらしいのです。

 でも、そんなことは、ポテンシャルユーザーである若者たちに聞いたら1発で吹き飛びました。そんなもの、置く場所ももうないのだ。椅子はもうあるのだ。座れる収納チェストといわれても、意味がない、と。

 こういうプロジェクトのときに必ず調査部隊がいて、その人たちが写真を撮ってきてくれるそうです。ターゲットが若者だったら若者の部屋の写真をいっぱい撮ってきてくれます。そして、みんなで一生懸命観察します。収納、収納、収納と思いながら観察するのです。そうしたら、あるとき、こんなものが目に止まりました。

 いわゆる和室、もしくは和室もどきには壁の上のほうに板が張ってありますよね。あれを「長押(なげし)」といいます。構造上は何の意味もありません。ただの装飾です。でも、ちゃんとした長押は少し受けていますよね。なので、典型的にはハンガーが掛かっています。もしくは、家によってはきれいに傘が並んでいることがあったそうです。そこで気がつきました。床はダメだけれど、まだ壁がある。そして長押は収納家具だったのだということに気がつきました。

 作った商品は、「長押」という商品でした。商品名「長押」です。ただの板です。でも少しだけ受けています。工夫もあります。だいたい、壁は今どき石膏ボードです。わが家もそうですけれど、その石膏ボードに釘は立ちません。

 なので、特殊な専用の固定ピンを開発して、専用のフックで留めるだけでいいのです。3本ギュッと伸びていたり、2本であったりするのですけれど、3本の釘でやるものも、皆さん、見たことがあるかもしれません。あのように力を入れることによって抜けにくいですし、1本あたり1キログラムとか、2キログラムに耐えら...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
不便益システムデザインの魅力と可能性(1)「便利・不便」「益・害」の関係
便利を求めるだけのいいの?…「不便益」で発見できる新たな魅力
川上浩司
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
「逆・タイムマシン経営論」で磨く経営センス(1)人口問題の本質
「逆・タイムマシン経営論」は本質を見抜くための方法論
楠木建

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(3)孤食リスクと加齢に伴うホルモン変化
「孤食」が危ない…独身男性の一人の食事はうつのリスク2倍以上に
小川純人
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
「満洲」から考える日本とアジア(8)日貨排斥と満洲事変の原因
なぜ満洲事変が起きたか…激烈な日本排斥と朝鮮人迫害、さらに一方的な条約無効化に直面した日本人の決断と失敗
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「アカデメイア」から考える学びの意義(1)学びを巡る3つの危機
「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機
納富信留
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
西洋文明の起源から見るグローバル化(1)グローバル化
古典を学び、教養ある人間を目指すことがヨーロッパの理想
納富信留
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
福井義高