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毎日「人助けしなければならない」と言われれば嫌になる

価値と人間(3)なぜニュース番組を見られないか

概要・テキスト
いま、テレビニュースを見ることができないと執行氏はいう。60分のニュース番組でも、ニュース報道の時間はごく少なくなっている。テレビ全体としても、クレームを恐れ、本当に優れた者、強い者を取り上げる番組が作れなくなっている。学校は勉強をしてはいけない場になり、会社は労働基準法で働くことを悪と見なしている。テレビでは毎日のように「人助けをしろ」と呼びかけている。こうした状態が続いた結果、冗談も言えない時代になってしまった。(全8話中第3話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:10:05
収録日:2024/01/31
追加日:2024/04/12
カテゴリー:
≪全文≫

●ニュース番組を1日中見ていたら人間としてダメになる


執行 今のマスコミは、もう全部悲観主義ではないですか。

―― そうですね。

執行 マスコミ人が、知っていると思うけれど、勉強しないからです。だってドラマ一つも(まともに)作れないではないですか。一昔前のテレビは、時代劇や外国のものも含めて、ドラマばかりでしたし、それを作るだけの教養や意思があったということです。

 ところが、今はバラエティーとクイズばかり。ニュースは私も見なければいけないと思っていますが、実は今のニュースは見られません。情報として見なければという義務感はありますが、見れない。

 もちろん、やっている本人たちは、ヒューマニズムで人助けのつもりです。かわいそうだとか。気持ちはわかるけれど、ニュース番組を1日中見ていたら、人間としてダメになってしまいます。

―― 本当に暗くなるし、ほとんど価値がないですね。

執行 NHKから民放まで、経済、芸術、学問などで、本当に苦労してやっている人たちを取り上げるような番組は、ほとんどありません。

 昔はたくさんありました。でも、これは(知っているディレクター)みんな言っていることだけれど、今はヒューマニズムに覆われていて、実は特番で優れた人を取り上げるとクレームが来るそうです。「心が傷ついた」と。これが3件来たら、ディレクターはクビだそうです。

―― (そうなると)見なくなりますね、テレビを。

執行 だからもう、しょうがない。私はニュースすら見なくなりました。インターネットはあまり好きではないけれど、インターネットで必要な項目を探して見るしかない。

 昔などは、私は家に帰ったら大体、夜にやっているNHKなどのニュースを30分とか1時間見るのが習慣でした。これがもう、できなくなっています。本当にマイナーなことしかやっていないから。

―― 先生の言っていることは、すごくよくわかります。やはり強い者を強くするのが、一番手っ取り早いですね。

執行 一番、国家のため、日本のためになります。本当の愛国、本当の憂国です。

―― そうですね。

執行 ただ、これをやるのは大変です。だから黙ってやる、この腹を作る必要があります。黙ってやるのだから、評価されない。その人生に耐えられるかどうか。ここが一番、重要です。

 私はある程度やっているのでわかります。全く評価され...
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