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小さな不幸と大きな安定をバランスする社会のあり方とは

価値と人間(8)小さな不幸と大きな安定

概要・テキスト
「国家は消滅しなければならない」とレーニンが『国家と革命』で述べた。本当にいい社会とは、国家のない社会なのだろうか。一方、日本の大問題は少子高齢化だが、国民が少なくても成り立つ社会を築けば問題は解決する。つまり「成長しない社会」である。江戸時代、日本の人口は3000万人ほどで続いたが、文化や学問は発展し、日本史上最大の平和の時代でもあった。小さな不幸はあったが、安定した社会を長く維持できたのだ。(全8話中第8話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:08:59
収録日:2024/01/31
追加日:2024/05/17
カテゴリー:
≪全文≫

●「国家は消滅しなければならない」とレーニンは述べた


―― 日本は霊性文明が残っているし、まだ大衆レベルはましな社会ですね。

執行 あのヨーロッパを見ると、絶対そうです。ただし、もう1回注意すると、国家はダメです。

―― 国家は。

執行 国家がダメなので無条件には褒められない。ただ大衆はまだ心を残している。だから国家はないほうがいいのです。

 もともと共産革命が世界で起きたとき、レーニンは有名な『国家と革命』で「国家は消滅しなければならない」と書いています。レーニンが革命を起こしたときの一番有名な言葉です。

 もともと国家は、そういうものなのです。本当にいい社会は、国家がなくならなければダメです。政治家なんて余計です。あんなものは要らない。政治家が必要というのは、帝国主義の時代にわれわれが教育を受けて、思い込まされているだけです。自民党の政治も要りません。会社とかいろんな地域社会が協力して、いろいろやればいいのです。

―― 政治家と国家体制、国家組織を除いたところがいいわけですね。

執行 除いたら日本はいい。

―― 庶民はいいわけですよね。

執行 そういうことです。

―― このレベルはまだ保ってますよね。

執行 潜在意識ですね、国民の。これはもう冷静に見ると、日本人がやっぱり圧倒的にいいですね。

―― 先生が言われた、日本語を縄文時代から使っているというのは、すごいことですよね。

執行 日本語がすごいからです。

―― 確かに言われてみれば、その通りです。

執行 古代から続いている言葉は、今は世界で日本だけです。完全な古代から一貫している。日本は(基本的に)文法や言語学的組織が動いていませんから。

―― 中国では唐の文明などを全部壊してしまったから、法隆寺や唐招提寺に連れていっただけでも、めちゃくちゃ喜びます。

執行 もうないから。中国は王朝ごとにそうです。

―― 一つの国ではないですよね。

執行 だから、中国を「歴史の長い国」と思うのは間違いと言っている人は多いのです。あそこは、つながっていないのです。王朝ごとに全く別の国が建っています。

―― そうですね。今は中国共産党という名前の王朝ができているだけですね。

執行 皇帝制と一緒です。「皇帝」という名前が「共産党」に変わっただけです。

―― それがあの国の本質ですよね。

執行 そ...
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