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いまのフランスやドイツよりも、まだしも日本は自由だ

価値と人間(6)日本は層が厚い国

概要・テキスト
ヨーロッパの頽廃が著しい。ヒューマニズムのせいだが、フランスやドイツの現状を知れば、日本はまだ捨てたものではないことに気づく。ただし、日本という国家は国家機構としてはヨーロッパやアメリカほど構築されていないかもしれないが、救いは縄文時代から培った潜在意識があることだ。その意味で日本は文化の層が厚い。縄文時代から基本的な言語である日本語も保たれている。しかも、いいかげんなので救われている面もある。(全8話中第6話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:10:54
収録日:2024/01/31
追加日:2024/05/03
カテゴリー:
≪全文≫

●ヨーロッパの頽廃はフランスやイギリスを見ればわかる


執行 日本人は何万年にわたる神道の魂を持っているのに、仏教を受け入れました。嫌だけれど受け入れたのではありません。

―― そうですよね。

執行 キリスト教もそうです。これからの情勢しだいでは、私はイスラム教もいけると思っています。「必要なら、いつでもイスラム教徒になりますよ」と。この「必要なら」がわかるかどうかです。

―― なるほど。

執行 これを外国人は「日本人のいい加減さ」と思った。ところが、ここがものすごく深いところで、日本が縄文以来の何万年の文明が作り上げた偉大さだと気づいたのは60歳になってからです。それまでは、まだそこまで思っていませんでした。戦後の占領政策が日本をダメにしたとも思っていました。

―― なるほど。

執行 絶対違います。ヨーロッパの頽廃を見ればわかります。特にフランスやイギリスは戦勝国です。おかしなレジーム(体制)を押しつけられていません。

―― 私は去年(2023年)、(ラグビーの)ワールドカップ(観戦)を兼ねて、(フランスに)2週間ぐらいいました。トゥールーズと(ベルギーの)ブリュッセルに行って、そこからニースに戻り、途中でマルセイユも見てきました。マルセイユなんて、もう移民の極致みたいな感じで、昼も歩けなくなっていました。

執行 今、南フランスではフランス語を教えることができないのです。公立学校は全部、アラブ人だから。あと10年もしないうちに、多分フランスは2カ国語国家になります。

―― なるほど。

執行 公用語がアラブ語とフランス語になる。南フランスはもうフランス語の国語教育ができない学校が多いですから。

―― めちゃくちゃですね。

執行 それでも移民を切れない。なぜかというと、ヒューマニズムです。言っただけで、終わりですから。フランスに一番詳しい(仏文学者の)竹本忠雄先生と今、親しく付き合っていますが、フランスは何か喋ったら、即刻、逮捕だと。信じられませんが、私なんてすぐに手錠です。フランス国家が決めていることに反対することを言うと、全部、手錠(捕まる)らしいのです。だから、フランスやドイツに詳しくなると、まだ日本は自由というか、素晴らしい。捨てたものではない(と感じる)のです。

―― (2018年の)黄色いベスト運動の頃から。あのとき、私はパリにいて、石などがバシバ...
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