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努力した人間を認める社会にならなければ滅びるしかない

価値と人間(4)縁の下の力持ち

概要・テキスト
明治時代は、本などで取り上げられる対象となるのは優れた人物であり、その歴史的業績だった。しかし、今は褒められ、評価されるのは、本来陰で行うものでわざわざアピールするものではなかったボランティアが対象になっている。これはおかしな話ではないか。強い者、優れた者を応援しないと、社会は衰退の一途をたどる。例えば、勉強なら、できる子が得する、エリートが認められる社会でなければならない。そうでなければ、やがて国が滅びることになるだろう。(全8話中第4話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:10:26
収録日:2024/01/31
追加日:2024/04/19
カテゴリー:
≪全文≫

●ボランティアがお金になる時代


執行 やはり伸びている時代は、明治にしても、本などに取り上げるものは優れたものに決まっているのです。

―― 高度成長期もそうですね。

執行 もちろん、かわいそうな話もあります。でも、かわいそうな人は主人公ではない。それは陰で助けるもので、人に言うものでもないし、当たり前のことです。人助けは、人に言うことではないのです。言ったところで、もう本当の人助けではなくなる。

―― 陰徳ではなくなるからですね。

執行 そうです。ボランティアなんて、今はスタンプがあって、社会評価の対象になっています。でも、ボランティアは評価されないからボランティアなのです。

―― 確かにそうですね。

執行 収入もない。評価も受けない。だからボランティアだったはずなのに、今やそれがお金になるし、評価基準になっている。

―― すごい話ですよね。

執行 でも現実に今そうなっています。そういうところまで来ているということです。だから、最初の話に戻ると、今一番みんなが嫌がるのは強い者を応援することです。でも強い者、優れた者を応援しないなら、国は衰退の一途です。

 勉強なら、できる子が得をする。できる子が便利になる。できる子が褒められる。できる子のために何かやる、ということ。でも、それらをやっても多分、今は社会的評価はされない。なぜなら社会全体が悲観主義だから。

―― 悲観主義で、妬みと嫉妬。

執行 そうです。社会全体がそうなのです。


●明治維新を遂行した縁の下の力持ち


執行 社会全体が楽観主義だった時代が明治などです。

―― やはり明治は偉大な時代ですね。そのバックボーンは江戸期の教育ですよね。

執行 それから先ほど言った、高木兼寛や三島通庸。全員、武士ということです。

―― やはり武士なのですね。

執行 出身が。だから、高木兼寛の奥さんも士族の娘ということです。高木兼寛も武士の子だから。

―― やはり武士階級がいた時代の明治は強いのですね。

執行 (以前に)「テンミニッツTV」で話したと思いますが、日本の武士階級が、もともと英国で言えばジェントルマンですから。

―― 特に500石、600石がいいわけですね。

執行 私の家は600石でした。この辺が一番素晴らしい。手前みそで言うのではなく。

―― (『鬼平犯科帳』の)長谷川平蔵みたいな人が出てくるわ...
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