『江戸名所図会』で歩く東京~内藤新宿
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
繁華街・新宿のルーツ、江戸時代の遊女が働く飯盛旅籠とは
『江戸名所図会』で歩く東京~内藤新宿(2)「夜の街」新宿の原点
堀口茉純(歴史作家、江戸風俗研究家)
歌舞伎町を筆頭に、東京でも有数の繁華街を持つ新宿だが、その礎は江戸時代の内藤新宿にあった。遊女が働く飯盛旅籠(めしもりはたご)によって、安価に遊興できる庶民の「夜の街」として栄えた内藤新宿の様子を、『江戸名所図会』に収められた「四谷内藤新駅(じゅく)」という1枚の絵からひもとく。また、今回は実際に現存する太宗寺に出向き、かつての内藤新宿の名残りを味わう。(全2話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:14分35秒
収録日:2024年2月19日
追加日:2024年4月28日
≪全文≫

●内藤新宿の活気が描かれた「四谷内藤新駅(じゅく)」


―― 次に見ますのが、『江戸名所図会』のこの1枚ですね。

堀口 はい、そうですね。その中の「四谷内藤新駅(じゅく)」という1枚です。

―― はい。

堀口 右上の書き込みのところに「節季候の来ては風雅を師走かな」という芭蕉の歌が書かれているのですけど、「節季候(せきぞろ)」というのは、ちょうど絵の真ん中の辺りに、家に向かって芸を見せている集団がいます。

―― はい。

堀口 こういうふうに、年末になると家々にやってくる門付(かどつけ)の芸人さんがいたのです。これを「節季候」といって、彼らが「節季候、節季候」といって、歌や踊りを勝手に披露してお金をいただくという強引なやり方ではあるのですが、芸人さんです。

―― ひと昔前でいうと、流しで歌う方などが飲んでいるところにやってきて、というのがありましたよね。それに近いとはいえませんが、ある意味では、そうやって強引にやってきたわけですね。

堀口 そうです。歳末の忙しい時期ですので、すぐにお金を払って帰ってもらおうというようなお宅も多かったようです。

―― なるほど。

堀口 つまり、年末の内藤新宿の風景だということで、お正月に向けたお餅つきの様子なども描かれています。

―― 『江戸名所図会』のこういう絵を見ていくと、皆さん1人ひとりが生き生きと描かれていて面白いですよね。

堀口 そうなのですよ。

―― 見ていて飽きるところがないといいますか、何をしている人なのだろうと。ご解説いただくと、そういうことなのね、とよくわかります。

堀口 本当に、1人ひとりにストーリーがあるのです。

―― ありそうですよね。

堀口 はい。じっくり見ていきたいと思います。

―― はい。

堀口 餅つきの様子であったり、人や馬がすごく道に出ていまして、宿場町はにぎわっていた場所なのだということも伝わってきます。そして、やはり内藤新宿らしい部分というのが、この家の中の様子です。

―― 家の中でございますか。

堀口 はい。

―― これは、家の中で何か作業をしている絵になるのでしょうか。

堀口 そうですね。人が外から中に向かっていろいろと訴えかけているような感じがします。

―― そうですね。

堀口 内側にはきれいな女性たちも、ちらほらと見...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(1)キスカ島撤退作戦
5200人の将兵を救え…米軍も称賛した「キスカ島撤退作戦」の奇跡
門田隆将
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
織田信長と足利義昭~検証・本能寺の変(1)はじめに
新史料の発見で見直される「本能寺の変」
藤田達生

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(28)自由喪失の危機に考えるハイエク-1
斎藤幸平氏に物申す…自由喪失の危機に読みたい自由主義の近現代史
テンミニッツ・アカデミー編集部
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(2)開国の是非と将軍継嗣問題
「尊王攘夷か佐幕か」…天皇絶対主義に結びつく厄介な問題
山内昌之
資本主義の再定義…哲学で考える(6)「学ぶ」ことの本質と道徳の問題
「一人で悟るのは危険だ」…学ぶことの本質と日本の役割とは?
中島隆博
組織心理学~「妬み」との上手な付き合い方(1)いい妬み・悪い妬み
いい妬みと悪い妬みの2種類がある…「嫉妬」の本質に迫る
山浦一保
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
組織心理学とは何か~『武器としての組織心理学』と概論
なぜ組織に「心理学」が必要か?多様化と個の時代の処方箋
山浦一保
日本人が知らない自由主義の歴史~後編(1)ニューリベラリズムへの異議
ハーバート・スペンサーとダイシー…20世紀の危機の予言者
柿埜真吾
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(3)稲作社会と頑張る日本人
ダメなのは「頑張りが足らない」から…うつを招く稲作的発想
與那覇潤
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博