Q.中選挙区制と小選挙区制での違いはなにか 小選挙区は文化が違うものを日本に植えつけたのではないか
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
中選挙区制は陸上や水泳、小選挙区制は格闘技
Q.中選挙区制と小選挙区制での違いはなにか 小選挙区は文化が違うものを日本に植えつけたのではないか
野田佳彦(衆議院議員/第95代内閣総理大臣)
中選挙区制と小選挙区制、両方の選挙を経験したものとして、二つの選挙制度について語る。
時間:3分13秒
収録日:2013年11月6日
追加日:2014年2月24日
カテゴリー:
 両方の選挙を経験しました。最初の選挙は中選挙区制です。

 このときは、私は中選挙の千葉1区といって、船橋、千葉、八千代、習志野、市原と、五つの市をカバーしなければいけないのです。当選したのですが、これは、日本新党という政党の勢いがあって当選できたと思いますけれども、それだけ対象とする有権者が多い分、日常の活動は大変です。事務所もいくつか持たなければいけない。

 例えば消防団の出初め式だって、各地でいっぱいあるわけです。これをまめにまわるためには、秘書の数も増やさなければいけない。ということで、これはやっぱりお金がかかるのです。ビラ作りにも、対象者が多いとたくさんのビラを作る必要がある。

 それから、駅の街頭演説をやろうとしたら、一番離れた選挙区の端っこまで行くには、2、3時間早く起きて行かなければいけないとか。コストの面、体力の面、いろんな意味で、国事に奔走するよりは、雑事にと言ったら変ですが、磨耗してしまうような構造なのです。

 というのが一つの特徴です。

 同じ政党から何人か出さないと政権党を取れない、派閥が生まれるという弊害がある。それはやっぱりよくないだろうというので、今の小選挙区制を軸とした選挙制度になったのですが、これはまだ回数としては6回。この評価をするのは、僕はまだ早いような気がするのです。

 それで、対象となる地域が小さくなった分、相手との、ライバルとのしのぎ合いは大変になるのです。中選挙区制で勝つには、例えば5人以内に入ればいいですから、3番でも4番でも当選じゃないですか。そうすると、スポーツで言うと陸上とか水泳で、入賞すればオッケーなのです。

 小選挙区というのは、重複立候補はありますけれど、基本的にはその小選挙区で勝たなければいけない。これは格闘技です。同じ船橋の中で、今日はあの地域に彼が入ったなとか、今回こういう技で来たなとかという、なにかもう蹴手繰りでも、噛み付きでも、相手の技を感じながらやるという格闘技です。種目が違うなという感じがあります。どちらがいいのかと言うことはまだ難しいです。

 小選挙区の場合、まだ二大政党が完全定着していないこともあって、揺らぎが大きすぎてしまって、ブーメランというか、あまりにも振幅が大きすぎてしまう分、安定した政治になかなかなりにくいと思います。

 ただ、政権交代を考えたときには、時折政権交...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
こどもと学ぶ戦争と平和(1)私たちに必要な想像力と戦争体験
なぜ戦争が起こるのだろう…大切なのは想像力と生の声
小原雅博
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
プロジェクトマネジメントの基本(10)大脳生理学によるモチベーション理論
論理的?計画的?社交的?冒険的?利き脳による4タイプ
大塚有希子
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(5)AIに記号接地は可能か
人間とAIの本質的な違いは?記号接地から迫る理解の本質
今井むつみ
これから必要な人材と人材教育とは?(2)AI時代に必要とされる能力
AI時代に必要なのは「問いを立てる能力」…いかに育成するか
柳川範之
平和の追求~哲学者たちの構想(4)ルソーが考える平和と自由
ルソーの「コスモポリタニズム批判」…分権的連邦国家構想
川出良枝
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
逆境に対峙する哲学(9)先人の知恵という友
本居宣長も白隠もハイデガーも友となる――大切なのは?
津崎良典
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
聖徳太子「十七条憲法」を読む(1)十七条憲法を学ぶ現代的意義
聖徳太子の「和」は議論の重視…中華帝国への独立の気概
賴住光子
こどもと学ぶ戦争と平和(2)「本当の平和」とは何か
「平和」には2つある…今の日本は本当に平和なのか?
小原雅博