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ハートランドの現状と分厚い中間層の没落

米国論(1)一番遅れて来た移民たち

概要・テキスト
アメリカの現状についての対談講義。アメリカを見るとき一番重要なのは、ロッキー山脈とアパラチア山脈のあいだにあるアメリカ中西部・ハートランドである。ハートランドに住むのはヨーロッパからやってきた移民の中でも一番遅れて来たため、残りの土地に移住した人たちの子孫である。彼らはプアホワイトで、近年は移民の流入により賃金が減っている。トランプの支持者も、このような人たちである。アメリカで大事なのはこうした中間層だが、今その8割が没落しているという。いったいどういうことなのか。(全8話中第1話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:13:08
収録日:2024/10/22
追加日:2024/12/27
カテゴリー:
≪全文≫

●ハートランドの現状とは?


―― よろしくお願いします。

執行 よろしくお願いします。最近、私はいろいろな根本原理を研究していて、アメリカの現状を知りたいと思っています。アメリカの民主主義が瀬戸際に来ているので、アメリカの現状をよく知っている神藏さんに、その辺を教えてもらって話し合いたいと思っていました。

 この本(冊子)を原稿でもらって、ちょっと勉強させてもらいました。これが素晴らしくて、一番重要視している問題として、ハートランドのことを非常によく書いています。

―― (アメリカ西部にある)ロッキー山脈と(アメリカ東北部にある)アパラチア(山脈)のあいだですね。

執行 アメリカ中西部であるハートランドの現状の力は、どのようなものでしょう。

―― 多分、普通の日本人は、あの辺りはほぼ行ったことがないと思うのです。

執行 一般には。

―― ほとんどがボストン、ニューヨーク、ワシントン、せいぜいフロリダが入るかどうかです。

執行 フロリダは、こちら(東)ですね。

―― あとはシアトル。

執行 あとカリフォルニア。

―― サンフランシスコ、シリコンバレー、ロス、サンディエゴでおしまいです。

執行 でも、やはりハートランドが一番重要だと書いているじゃないですか。

―― はい。(そこが)アメリカそのものです。アメリカ人は世界で一番、教会に行く人たちだと思うのです。

執行 宗教国家ですからね。

―― しかも、その教会も福音派から始まっている。

執行 中西部は、ほとんどが福音派なのでしょう。

―― 福音派は、全米で20パーセントから25パーセントだと思います。

執行 それぐらいですよね。

―― ほかにモルモン教徒もいれば、いろんな種類の教会がある。特に一番最初にやってきたのが、ピューリタン(清教徒)です。マサチューセッツのプリマスに最初に来ました。

執行 それはイギリスから来たピューリタンですね。

―― それが第1番目のグループで、第2番目のグループが一応イギリスのジェントルマンですが、どちらかというと大貴族ではなく、2~3流の貴族です。

執行 中小貴族。

―― 彼らはベンチャー精神に溢れていて、むしろ宗教というより荒っぽい感じの人たちです。

執行 その人たちは、どこに来たのですか。

―― 今でいうとバージニアの辺りです。

 それから、コスモポリタ...
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